WAVESとの付き合いはかなり長く、僕の場合は、学生の頃に購入した製品に付属してきたNative Power Pack(現 Power Pack)からこつこつとアップグレードをしてきて、現在ではMercury、SSL4000 Collection、そしてAbbey Road Collectionとほぼ全てのWAVESプラグインを所有しています。思い返せば学生の頃からなので、10年ほどの時間がかかっていますね(笑)
その後、青葉台スタジオで働いていましたのでWAVESプラグインは「当たり前のように」使っていました。もっとも慣れ親しんでいるプラグインだったのですが、普段使っているPro Toolsのバージョンが11になった際、AVIDのDSPシステムであるAAX DSPで動作できなくなったことがあり、当時は作業に困った記憶があります。
このタイミングをきっかけに、「特定のツールに依存をすることはエンジニアとして良くない」と思うようになり、一時は意図的にWAVESプラグインの使用頻度を下げていたこともありました。周囲の人たちがみなWAVESを使っていたので、「だったら自分は違う音を出したいから使わないぞ」という捻くれた理由も裏にはありましたね(笑)しかし、エンジニアとしては魅力的なプラグインがどんどん登場するということもあって、最近またWAVESに「復帰」してしまっています。やはりサウンドが素晴らしいですね。
H-EQが登場した時に「やっとアナライザー付きのEQがでた」と、本当に嬉しくて即購入しました。今でもギターの補正には欠かせないツールですね。各バンドでヴィンテージからモダン、デジタルなどEQカーブが設定できるのもありがたいですね。
僕はロックバンドの仕事が多いので、Abbey Road TG12345をドラムのトータルにコンプ、またはリミッターとして使います。
1176、LA-3AをモデリングしたCLA-76とCLA-3A。これらのコンプは多くのブランドからプラグインがリリースされているのですが、僕としてはこのWAVESのプラグインの登場によって「やっと使える1176、LA-3Aのシミュレートプラグインが出た」と感じました。リリースからは時間も経っていますが、今でも重宝しているプラグインの一つです。
実際に歴史に残るレコードで使用されたSSL、Neve、EMI TG12345の卓の歪みを再現してくれるNLS(Channel / Bus)は、Driveを6dBほどあげてドラムやベースによく使います。「攻めた」ミックスをするときには、Lineではなく”Mic” のほうを使うことでよりアグレッシブな効果を得られるので、気に入って使っています。
アビー・ロード・スタジオとの共同開発プラグインの中でもAbbey Road Chambersリバーブは新しいプラグインですが、かなり気に入って使っています。ちょうどビートルズをテーマにした楽曲をプロデュースしているタイミングでのリリースだったので、「待ってました」とばかりにそのセッションでかなり使いました。発売されたばかりのツールでも安心して使えるのは、WAVESならではですね。