2022.06.15
発売当初から、制作したほとんどの曲で使用しています。
僕のグルーヴの作り方は、素材のパンニング・音程・音質の組み合わせをとても重要視しています。「グルーヴのストーリーを作る」ような感覚を大切にしているのですが、STYLUS RMXはその「ストーリー作り」がとても肌に合っていると感じます。頭で描いたものが思った通りにアウトプットできるツールを求めているし、STYLUS RMXはまさにそれなんです。
基本グルーヴをSTYLUSで決めてから、メインのキック・スネア・ハットを打ち込んだり、自分で生のドラムを叩いて重ねたりします。気に入ったループをパッとドラッグ&ドロップでDAWに貼り付けられ、すぐにトラッキングできるというのがいいですね。
そこから、ハネ具合をエディットしていって、楽曲のノリを決める。8トラックあるので、複数の音色を同時に鳴らすとこもあります。「ここの拍はスネアいらないのになぁ...」って時も、MIDIでエディットが簡単にできますし、パターンを変えるのも容易にできます。Loopの素材も、とても素晴らしいです。
ビートマシンは数あれど、STYLUS RMXに代わるものはない。僕にとって、欠かせないGearです。
僕がKEYSCAPEで一番気に入っているポイントは「生楽器と対抗できるクオリティである」こと。そして「生楽器と相性がいいこと」です。これは、他のソフトウェア音源ではなかなか得られない感覚と言ってもいいと思います。
まず注目したいのは、ヴィンテージなものからモダンなものまで、幅広い楽器のチョイスが入っていること。Spectrasonicsの動画でもいろんな方々がデモ演奏なさってますが、とてもリアルな音がしているし、これってソフト音源というよりもまるで「楽器」を弾いているかのようです。
KEYSCAPEに収録されているアコースティックピアノはYAMAHA C7 の LA Customされたもの。C7らしいレンジが豊かで、かつ鋭く抜ける、ポップスにはとても重要な要素が満載の音色。レゾナンスの素晴らしさ、カスタムされた音色たち。Spectrasonicsらしい重厚なサウンドはさすがです。
Rhodes類でも、LA Custom・Classic・Vintage Vibe。Pianetも「M/N/T」、Wulitzerも「140B/200A」YAMAHA CP70、MKS-20,MK-80,JD-800、クラシック系のCelesteなど、とてもツボを押さえたラインナップに、脱帽です。
正直、音数が多いアレンジは「どのソフト使ってもいいかぁ...」と思うのですが、編成が少ないアレンジは、これ以外選択肢はありません。それくらい、レンジが広くて、重厚さと他の楽器との相性が良いです。
「楽器の音」をしっかり聴かせたいアレンジの時には、KEYSCAPE一択です。
Omnisphereでは、主にPad系・Strings系・ベル系を使います。Pad系でも、主にWarmな音で使います。音の隙間感が気になる時に、これを少し足しただけで、埋めたい空間が埋まります。ほぼ聴こえないレベルまでフェーダーを下げても存在感が出てきます。この感覚も、Spectrasonics製品でしかできません。
Strings系では、「Hollywood Studio String Section」という音色をよく使います。
正直なところ「リアルさ」で言えば他にも素晴らしい製品はいっぱいあります。例えばポップスのアレンジなどでそういう「リアル」なソフトで本格的に作り込んだとき、トップノートは聞こえてくるのに、内声が出てきにくい、ということが良くあるのです。ところがこの音色を使うと、内声の聞こえ方がすごくいい感じになる。出てくるんですよね。これもOmnisphereならではで、他に替えがきかないものですね。
ベル系ですが、これがいちばん難しいんです。
僕がサンプリング系のソフト音源の良し悪しを判断するときは、まずベル系の音をチェックするようにしています。サンプリングそのものが悪かったり、発音のプログラムが悪かったりすると、如実にアタック感が失われて音がぬるくなるんです。Omnisphereはその点、アタックの感じがとても素晴らしい。アタック感もありながら、重量感もある。ミックスしても「残る」音になるんです。
Spectrasonicsはどの音源もこの「残る音」という点が共通していえますね。
単音で聴いていい音しているなと思うものはたくさんあるけど、ミックスをした時に「残る音」でいてくれるものは本当に少ないし、でもとても大切なこと。これはソフト音源に限らず、生楽器でも電気楽器でも電子楽器でも、どんな楽器にも求める重要なことなんです。
それを兼ね備えたSpectrasonicsの製品は、本当に素晴らしい。もちろんこれからも使っていきたいと思っています。
スパム春日井
Perc./Drums/Bass/Key./Marimba/Vib./etc...作曲/編曲/Produce/Engineer/Prog./Manupilator/
1974年4月1日、愛知県生まれ。6歳からマリンバをはじめたことをきっかけに、いろいろな楽器をはじめる。その後上京し、コンサートのバイトを始めたきっかけに、ライブ・ラジオ・テレビ・レコーディング等、音に関わる仕事を経験し、現場のつながりから、編曲・作曲・演奏の仕事をし始める。演奏はもちろん、プロジェクトをいかに良いベクトルに持っていけるか、縦横無尽のアプローチで現場を動き回る、唯一無二の存在である。
佐野元春・鈴木雅之・野宮真貴などのライブ・レコーディングなどを始め、三木聡・市井昌秀作品の劇伴も担当。いろんなアプローチで、音楽制作に参加している。
参加アーティスト
佐野元春(Co-Produce/Prec./Prog.) , 鈴木雅之(Prec./Key) , 野宮真貴(Key,Vib,Sax,etc..) フラワーカンパニーズ , 竹内宏美 , 末松一人 , 渡辺美里 , Skoop On Somebody , 佐藤竹善 , JONTE , Juliet , 小松亮太 , カノン , 宮本笑里 , 河口恭吾 , 鈴木聖美 , ポルノグラフィティー , 鶴
劇伴
三木聡監督作品 (編曲・作曲)
「優香座シネマ お湯は意外とすぐに沸く」「時効警察」「帰ってきた時効警察」「図鑑に載ってない虫」「転々」「インスタント沼」「トンスラ」「熱海の捜査官」「時効警察始めました」
市井昌秀監督作品(音楽)
「台風家族」