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私がSpectasonicsを使い続ける理由:福富雅之

2022.08.23

プロはみんな持っている

- 福富さんはSpectrasonicsの全製品をお持ちと伺いました。それぞれの製品の導入時期や、導入に至った経緯を教えてください。

ほぼ全部の製品を、発売とともに購入しましたね。最初に買ったのは、Stylus(現在のStylus RMX)、Trilogy(現在のTrilian)、Atmosphere(現在のOmnisphere 2)でした。

僕がDAWを使い始めたころからの付き合いになるので、長いものだともう20年くらいになるのかな。当時は「Spectrasonics三兄弟」みたいな呼ばれ方をしてて、プロは絶対にもってなきゃいけない音源、それくらい"当たり前"の存在でした。音の良さは昔も今も群を抜いているので、長年使い続ける人が多いのでしょうね。

- 特にソフト音源の場合、発売時に大きく話題になる製品はいくつもありますが、発売から数年、ともすると数ヶ月程度で話題にもならなくなるものも珍しくありません。10年、20年と愛用し続けたくなる理由はなんでしょう?

それは、1つの製品に対してずーっと丁寧なアップデートが行われ続けているからじゃないですかね?いつまでも最新のプリセットがドカンと追加され続けたり、機能が増えたりもしてる。しかもほとんどのアップデートが無償だし。これってすごいことで、ありえないレベルだと思っています。

- 例えばTrilianだと、2002年に前身であるTrilogyが発売されてから今日まで、20年間の間に有償のアップデートはたったの1回(99ドル、2009年のTrilian発売時)だけでした。

大したアップデートもなく、ただ最新のOSに対応させるだけで定期的にアップデート料金を取るメーカーもある中で、Spectrasonicsのこの対応は良心的。こんなにユーザーを大事にしてくれるブランドは珍しいですよ。珍しいというか、他にない。購入したユーザーを大切にしてるんだなという気持ちも感じますよね。


使い方は年々変わっていくが、ずっと使っている

- それぞれの製品の印象や使い方なども教えてください。最も古いお付き合いとなっている、Stylus RMXはいかがですか?

面白いことに「使い方が年々変わっていく」製品ですね。僕が使い始めた2000年代前半は「生ドラムの背後にStylusのループやブレイクビーツを混ぜる」という使い方がすごく流行っていたし、よくやっていました。StylusのループはアレンジウインドウでMIDIデータとして編集できるから、生ドラムのキックと被らないようにループのキックだけ抜くとか、生ドラムのグルーヴにループを合わせるといったことも簡単にできるし。

その後は、シンプルにループ再生マシンとしての使い方が増えたかな。特にパーカッションループは今もなおStylus RMXを超えるものがなくて、お気に入りですね。打ち込みのドラムとStylus RMXのパーカッションループでリズムの骨格を作るような使い方。

それから、最近はワンショットを使う機会がすごく増えましたね。例えばクライアントに「今回の曲は打ち込みのドラムで」という依頼があれば、Stylus RMXでマルチのドラムキットがファーストチョイスだし、Sound Elementsというカテゴリを使えば、キックならキック、スネアならスネアのさまざまなバリエーションを鍵盤に並べて使うこともできる。

- Stylus RMXってループ音源でしょ、と思われてる方も多いかもしれませんが、実はワンショットがすごく充実したビートボックスでもあるんですよね。

ちょっとピンポイントだけど、すごくお気に入りのシンバルがあって、Sound Elements > Cymbals > All Cymbals Hi-Fiの中に入っているE♭3の鍵盤にあるクラッシュシンバル、これめちゃくちゃ最高なんですよ。手前でも奥でもない絶妙な位置にいて、定位感も絶妙。このシンバルを使いたいためだけにStylus RMXを立ち上げることもあるくらい(笑)

- ループマシン、ビートボックスとあらゆる使い方でご愛用頂いているんですね。オリジナルのStylusからは20年、Stylus RMXになってからは18年も経過する製品です。

長年使っているので、僕の中ではあることがもう当たり前で、今言われて「ああ20年か」と思ってしまいました。未だに多くの人が使っていることを考えると、すごいですよね。


素材の音がそもそも「強い」

- Omnisphereについてもお伺いします。福富さんは前身となるAtmosphereからお使いでしたよね?

ずっと使っているし、今もほとんどのセッションで最低でも1つはOmnisphereを使いますね。使わないセッションはないんじゃないかな。よく使う音は、ストリングスカテゴリの"Hollywood Studio Strings"ですね。

- 福富さんは他社製のいわゆる「リアル」なストリングス音源もお使いでしたよね?

もちろんそれらも使っています。こういう超リアル系のストリングスセクションに「もっと厚みを持たせたい」と思ったとき、このOmnisphereプリセットを重ねて使うんです。イメージ的には他社製の超リアル系ストリングスがファーストチェアで、セカンドチェア以降をOmnisphereに任せている感じ。そうすると、厚みと広がりのあるゴージャスな感じになるんですよ。うっすらと混ぜるだけでも全然違います。

- Omnisphereの"Pads + Strings"カテゴリはこの製品の真骨頂の1つとも言えますね。

そうですね。空間が見事に造られる感じというか。あと、Tron系のストリングスもしっかり質量がある感じが素晴らしいですよね。もちろん、一般的なポップスで使うようなシンセ、生楽器っぽいサウンドも高品位で充実しているし、劇伴系なら下手するとOmnisphereだけでいけちゃうくらい。

- Omnisphereはプリセットの追加も数百単位で行われていますから、あらゆるジャンルに対応できるかと思います。他にもよく使うカテゴリはありますか?

そもそもOmnisphere、シンセの音を探すときは必ず立ち上げるので...よく使うカテゴリというか全部ですかね。アナログシンセだけじゃなくて、黎明期のデジタルウェーブテーブル系とか、サーキットベンディングしたチップチューンサウンドとか。どれも使える音なので、今どきのフューチャーベースから、クラシックなレトロシンセまでカバーできちゃう。

EDM系も強いですよね。シンセのプリセットって、結構ディレイとかリバーブで派手に仕上げられてるものがあるけど、それらを外すと途端にショボい音になっちゃうもの、よくありますよね。でもOmnisphereはそれがない。素材の音がそもそも「強い」んですよ。だから色んな音が重なっても負けないし、音数が少ないアレンジをしてもしょぼくならず、成立する。

- 音が太い、ということでしょうか?

そうですね、言葉にすれば「密度が高い」って感じ。エフェクトで加工しても音が崩れない、小さな音でも存在感がしっかりありますね。

- 他に使っている機能だったり、珍しい使い方はありますか?

実は、Omnisphereで最もよく使っているのが、起動状態でなるシンプルなオシレータの音で、これ結構気に入っているんですよ。

- フィルターもエンベロープもかかっていない、「ピー」となる素のオシレータですね。

ノコギリ、サイン、三角波あたりですね。エフェクトも何もかけずにベンド幅を±12とか24に設定して、ベンドを使いながら「ピューン!」みたいな宇宙っぽいFXサウンドを作ったり、アルペジエーターを使ってシーケンスフレーズを鳴らしたり。単なるオシレータだから他でも一緒だろ、と思ったけど、これがOmnisphereの圧勝なんです。これもやっぱり「密度が高い」からなのかも。nano.RIPEのアポロという曲でイントロから鳴っているシーケンスシンセもこの標準のサイン波で作った音です。


「ちゃんとしたプロの音がする」

- Keyscapeはいかがでしょうか?

実は最初、グランドピアノの音が目的で購入したんですが、結果的に今一番使っているのはJD-800とかMKS-20、MK-80などのヴィンテージ・デジタルキーボードです。いわゆる「ディズニーの音がする」キーボードですね。僕が携わった一連のプリキュア作品でもかなり使いました。

- 華やかな音が多いので、アニメーションにも合いそうですね。

実は、実機も持ってるんですけど、接続が面倒だなぁと思って「あ!Keyscapeに入ってるじゃん!」って思って使ってみたら、イメージ以上にピッタリで(笑)

20秒あたりから始まるAメロのバッキングはKeyscape、それから左右でピコピコなっているシーケンスフレーズが、さっきOmnisphereの時に話したデフォルトのサイン波です。この辺のプリセットは、ほとんどプリセットのままですよ。これはこれでもう1つの楽器のようなものだし、細かくパラメーターを調整するよりも、他のプリセットを探しに行きたくなるバリエーションの豊富さがいいですよね。

Keyscapeの発売時に公開された著名ミュージシャンたちの試奏動画がありますよね?あれ、単なる製品のプロモーション動画を超えていて、教材レベルだなって思うんです。例えばこれもその1つで、

つまり、各ミュージシャンがパッと鍵盤を押さえて音を確認した瞬間に、導かれるようにフレーズを演奏し始める。優れたミュージシャンって音によって弾き方も弾く内容も即座に判断してプレイするし、Keyscapeはその器を持った表現力だなと。僕は学校で教鞭を執ることもあるのですが、実は授業でこの動画を生徒に教えることもあるんです。音色と、フレーズと、ジャンルって密接に関係しているから、その音ごとの有名なフレーズをその音で弾いてみると、音楽的な幅が広がるよ、って意味でね。

この動画でも分かるけど、Keyscapeってミュージシャンが演奏したときにテンションが上がるような音なんですよね。レコーディングエンジニアがしっかり骨太な音作りをしてくれた音という感じかな。これはSpectrasonics製品の全般に言えるけど「ちゃんとしたプロの音がする」んです。名盤レコードの音がそのまま出ますからね。

迷う前に買いましょう。10年以上使えます。全てが現場レベル。それがSpectrasonics。


福富雅之
福富雅之

(ふくとみまさゆき)

音楽制作チーム「Nostalgic Orchestra」の作曲・編曲家

プリキュアやアイドルマスター等、歌物にこだわり楽曲提供を行う。 また、「音の学び」を通して「音の楽しさ」を知るをコンセプトにした"音学セミナー"「キノコ音学校」を主催しエンターテイメントあふれる講義を実施中!

キノコプラス合同会社 代表社員。
https://kinoco-plus.com/
https://nostalgic-orchestra.com/

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