WAVESシングルプラグインピックアップ:Renaissance VOX
2020.04.23
日々増え続けるWAVESプラグインの中から1つを取り上げてご紹介するWAVESシングルプラグインピックアップ。今日は、WAVES初期(WAVESは1992創業)のプラグインであるにも関わらず、今もなお世界中で稼働率の高い、Renaissance VOX(RVox)をご紹介いたします。
WAVESからリリースされているRenaissance(ルネッサンス)シリーズはいくつものプロセッサーがあり、Renaissance EQ、Comp、Reverb、Bass…等々、複数のプラグインがあります。この中の1つが、RVoxはその名が表す通り「ボーカル用のコンプ」です。そして一番の特徴は「たった3つのスライダーだけ」ということ。もっと言えば、主には真ん中の「Comp」のスライダーだけ調整すればOKということ。真ん中のスライダーを下げれば下げるほどボーカルに適したコンプがかかり、ボーカルがグッと前にでてきて、いかにも主役!といった立ち位置に来てくれます。やることは、ほぼこのスライダーを動かすだけです。
世の中には複雑で多彩なパラメータを膨大に装備したプラグインがいくつもありますが、
ボーカルが歌っていないところのフロア・ノイズであったり、ボーカル以外の要素がカブってしまったら、左のスライダー”Gate”を必要なだけ下げましょう。ここはメーターも兼ねていますので「ここから下のボリュームはカット」という判断が素早くできます。
 
とにかく音楽的
RVoxの中身は同社の人気リミッタープラグイン、L2をベースにしたもので、RVoxをインサートしてほんのわずかCompスライダーを下げるだけで、フッと手前に持ってきてくれる効果が得られます。
 
2020年発表のグラミー賞で史上最年少で主要4冠に輝いたビリー・アイリッシュ。その作品をエンジニアリングで支えるロブ・キネルスキーは、RVoxを「お気に入り」と評価し、今もなお愛用しているとインタビューで語っていました。
ミックスをする上で音を「手前に持ってくること」は、なかなか難しい作業の1つとも言えますが、RVoxがあれば直感的に、かつ誰にでも使えるデザインで実現しています。