リズム隊のミックスTips! – Vol.7 ギター前編
2014.11.26
スタッフHです。
先週末に一気に更新をした「リズム隊のミックスTips」。ここまで、
- イントロダクション編
- キック編
- スネア編
- 番外ハイハット編
- タム・トップマイク編
- 番外アンビエント編
- ドラムバスミックス編
- ベース編
までご紹介して参りました。関連記事は「リズム隊のミックスTips」タグでまとめてご覧くださいね。個人的に「リズム隊」というと、ここまで(ドラムとベース)という思いはあるのですが、講師役の佐藤洋介さんが「せっかくだからギターも入れたものにしよう」と仰って下さったので、今回はギター前編という形でお送りいたします。まずはビデオから。
いかがですか?
今回の前編では、クリーン(わずかなクランチ)のギタートラックについて。ベース編同様にオーディオインターフェイスに直結してレコーディングしたギターを、リアンプさながらに処理していく行程を解説して頂きました。
最初に使用したのはアンプシミュレータのWAVES GTR。プリセットをベースにしつつ、カスタマイズをかける。どのようなトーンが欲しくてそれぞれのパラメータを動かしているのか。また、マイクロフォンセッティングについての解説では、実際のアンプをマイクレコーディングする際にも役立つコメントがあります。普段からマイクレコーディングをされている方には当然のような事かもしれませんが、私のようなマイク素人には「なるほど」と学べる一瞬。
次に使用するのは、もはやおなじみとなったWAVES V-EQ。過度なEQはサウンドにいい影響を与えないことは言わずもがなですが、「カットをする理由」と「何もしない理由」について、解説されています。佐藤さんはカメラが止まった後に「もちろんこの手法だけが正解という訳ではなくて、曲によって色々な正解が存在すると思うんだけど、耳を使いながらこの “カットする理由” を意識するだけでも、EQがぐっと身近なものになると思うよ」と仰っていました。
最後はコンプ、こちらもおなじみになったWAVES Renaissance Compです。
サウンドの違いこそあれど、どんなコンプでも「音を潰す」という目的はほぼ一緒。では、ギターには何を目的にコンプを掛けるのか(決して、私のように “なんかいい音になりそうだから” を理由に掛けちゃダメです)。
どちらが正解か、ではなく、それぞれの効果について解説されています。EQが先ならどんなサウンドを作るときに適していて、どうコンプが反応するのか。反対にコンプが先なら、結果のサウンドはどこに着目(耳)すれば変化が分かりやすいのか。ここはビデオを参照にして、ご自身のソースに合ったやり方を見つけましょう。
次回はギター後編。リズムギターではありませんが、ディストーションギターの「壁」を作るステップなども解説します。
講師プロフィール
佐藤洋介
岡本定義との宅録ユニット、COILとして’98年「天才ヴァガボンド」デビュー。エンジニアとしてサウンド面の中核を担い、COILのみならず外部アーティストからもそのサウンドメインキングのクオリティは高く評価されてきた。2005年にはRCサクセションのライブ盤「ラプソディーネイキッド」のミックスではその臨場感溢れる音作りで高い評価を得る。’06年はCOILとして初めて映画『初恋』(主演:宮﨑あおい)のサウンドトラックを担当。元ちとせ、杏子、福耳、長澤知之、竹原ピストル他への楽曲提供やエンジニアリング、プロデュースも手がける。2013年COILはデビュー15周年を迎え、ニューアルバム「15」をリリース。2014年4月にCOILを脱退。脱退後は幅広い視点からサウンドプロデュースができるエンジニアとして、活動の場を広げている。