IRCAM VERBをよりシンプルに、音楽的に。
IRCAM VERB SessionはIRCAMの音響・認知空間研究から生み出され、高い評価を受けているIRCAM VERBアルゴリズム・ルーム・アコースティック&リバーブ・プロセッサーの秀逸な技術を基にし、IRCAM VERB同様、再帰形フィルタによるリバーブ・エンジンを中心としたモジュラー構造により、ルーム・アコースティックの特性と、響きを同時にコントロール可能としています。
素早く使用状況に最適なリバーブを適用し、空間演出を実現するために、操作系はシンプルにデザインされており、クオリティとスピードの両立が求められる熟練したレコーディング・エンジニアにも、放送/ポスト・プロダクションのミキサーにも、最適なソリューションを提供します。
シグナル・プロセッシング
- プロセッシング前後のレベルを調整するInput/Outputゲイン・コントロール
- 原音とエフェクト音のバランスを調整可能するDry/Wet コントロール
プリセットとパラメーター
プリセット/パラメーター・スロット
2個のプリセット/パラメーター・スロットAとBに、同時にパラメーターをフルでロード可能です。さらに各プリセットの保存とは別に、AとB両方の設定に加えて、モーフィング・スライダーのポジションを含むグローバルなプリセットを保存/リコールすることが可能です。
オートメーション可能なモーフィング・スライダーのパラメーター スロットA, Bで設定したパラメーター設定値内でモーフィングするモーフィング・スライダーを使うと、極めてクリエイティブで効果的なリアルタイム操作が可能です。オートメーションのコントロール機能をオンにすると、ホストアプリケーションからモーフィング・スライダーをコントロールすることができます。
Decay Time
リバーブの減衰時間(秒)を調整します。つまり、残響音が無くなるまでに要する時間を調整します。より技術的な表現では、RT60ファクター(リバーブ音が入力に対して-60dB未満になるまでに要する時間)とも言われます。
Room Size
初期反射(アーリー・リフレクション)とパート(early+cluster)をセットでコントロールするメタパラメーターです。求めるスペースのルーム感の演出に大きな役割を果たしています。リバーブ全体のタイム・ストラクチュアー(early-min, early-max, cluster-min, cluster-max, reverb-start)を調整します。各パラメーターを細かく微調整する前段階での鍵となるコントロールです。
Pre Delay
ダイレクト信号が発音された時点からリバーブ音が聞こえるようになるまでの時間を調整します。このタイムを長くセットするダイレクト音とエフェクト音の分離が良くなり明瞭度が増します。ディケイタイム、ルームサイズが大きくオーディオ素材が残響に埋もれる場合などに顕著です。
Time Structure Settings
•Early Gain
エフェクト全体に関わるEARLY及びCLUSTERのレベルを調整します。
•Tail Gain
エフェクト全体に関わるLATE/ TAILのレベルを調整します。
•Low Damping
低域のダンピングを調整し、減衰の低域成分を調整します。
Filter Section
リバーブ・エンジンに入力される信号に処理されるフィルターのキャラクターをセットし、全体のフリーケンシー・レスポンスに影響します。
Lowカットオフ:ローパスフィルター。フィルターセクションで設定したカットオフ周波数より高い周波数帯をカットします。
Highカットオフ:ハイパスフィルター。フィルターセクションで設定したカットオフ周波数より低い周波数帯をカットします。