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J-WAVE TOKYO PIANO JAMBOREE ライブ・レポート

Earthworks User Stories

2014.06.10

FOHエンジニア 保手 文司郎氏インタビュー

両国国技館にひとつの楽器をテーマに達人たちが集結する1日限りのJ-WAVEスペシャル・ライブ。2013年の「TOKYO GUITAR JAMBOREE」に続き、2014年はピアノをテーマに「TOKYO PIANO JAMBOREE」として開催。ピアノと歌だけでオーディエンスを魅了する実力派アーティストが土俵の上に設置されたステージで夢の競演を繰り広げました。  

※ピアノはフル・オープン。PM40がハンマー上にセットされる。

※ピアノはフル・オープン。PM40がハンマー上にセットされる。

※SR用コンソールにはSoundGrid カードを搭載したYAMAHA CL5を使用。ピアノにはWAVES Q10とC4を使用。卓のEQはピーク除去程度で、ベーシックな音作りにはWavesを使用

※SR用コンソールにはSoundGrid カードを搭載したYAMAHA CL5を使用。ピアノにはWAVES Q10とC4を使用。卓のEQはピーク除去程度で、ベーシックな音作りにはWavesを使用

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センター・ステージに2台のピアノ

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2人がピアノをプレイするレアなステージとなったスキマスイッチ

「Calling You」を演奏する塩谷哲 with JUJU

「Calling You」を演奏する塩谷哲 with JUJU

センター・ステージには向かい合うように2台のSteinway 製ピアノがセット。復数のアーティストが共通のピアノをプレイするイベントはアーティストの個性が楽しめることも魅力です。2台のピアノには同じように、Earthworks PM40、AKG C414、DPA4099がセットされました。本公演はセンター・ステージ故に360°全方向にある客席に向けてのSR、そして、収録も同時に進行する難しいイベントです。

SRを担当したエス・シー・アライアンス サウンドクラフト ライブデザイン社のエンジニア: 中尾憲嗣氏はマイクの位置について、「360°なのでPAの音量を少し上げ下げするだけでモニターに影響します、その上マイクへのかぶり込みも変わってきます。それで聞こえる音質も変わってきます。加えて、歓声の入り込みなども考慮して、できるだけオンで狙いました。」と言います。PAでのマイクのバランスについては、「PM40と414がほぼ半分ずつ、4099については、モニター用途がほとんどで、低域側の1本だけ、隠し味程度に混ぜました。」中尾氏にとってPM40は今回が初めての使用であり、プランニングの段階では「無指向性ゆえに、かぶりこみを考えて、あまり期待していなかった。」しかし、実際に現場で音を聴き、質感が自然であったため、かなりの比率でPAに使用することとなったという。

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KANを中心にK、さかいゆう、スキマスイッチによる「全力少年」でフィナーレ

7拍子にアレンジしたStevie Wonderの「Superstition」をソロピアノで披露した塩谷哲

7拍子にアレンジしたStevie Wonderの「Superstition」をソロピアノで披露した塩谷哲

ステージのトップバッターはさかいゆう。力強いタッチのピアノからパフォーマンスが始まった。続いて、この日がデビュー・ライブとなったkaho、包容力のあるプレイのK、柔らかなサウンドの大橋トリオら、アーティストごとに異なる表情のピアノ・サウンドが会場を包む。休憩を挟んで後半は大塚 愛のパフォーマンスからスタート。一際広いダイナミック・レンジと色彩感で客席を魅了した塩谷哲の演奏には、ゲスト・シンガーJUJUが登場。国技館をジャズ・クラブへと変えます。更に、この日最も熱い声援を受けていたスキマスイッチがピアノ2台によるパフォーマンスを披露。続く清水ミチコは、単なるモノマネを超えた、音楽的にもレベルの高いステージをオーディエンスに披露。会場の空気が一変しました。そして、トリを務めたKANは持ち前の明るさもそのままに、ピアノも明るいトーンを放ちます。更にはスキマスイッチ、さかいゆう、Kをステージに呼び、セッションを繰り広げ、最後はスキマスイッチの代表曲「全力少年」で6時間にも及んだステージがフィナーレを迎えます。

代表曲「さくらんぼ」をシックなカクテル・バージョンで披露した大塚 愛

代表曲「さくらんぼ」をシックなカクテル・バージョンで披露した大塚 愛

客席からのリクエストに応えて物真似も披露。清水ミチコ

客席からのリクエストに応えて物真似も披露。清水ミチコ

延べ10人のアーティストがピアノを演奏した本イベントでは、国技館という大会場でありながら、アーティスト一人一人の個性、キャラクターが客席でも充分に音で感じられます。マイクのセッティングはハンマーの上部付近にPM40が、弦付近に414がセットされ、中尾氏は各アーティストの個性が表現されるよう、ピアノの生の音の質感が表現されるよう調整します。中尾氏はPM40の音質について「生に近いです、聞いていると質感も気持ちよくマイク間の位相も気にならない。」加えて、使用感について、「バー状になっているため、狙いたいところにセットが容易なこと、マイクスタンドが不要で見た目がスッキリする点も良い」と語る。収録を担当したJ-WAVE 新井康哲氏は「ベーシックの設定だけでタッチの違いによる演者の出音の個性は充分に感じられました。」

収録時のミックスについては放送の最終段でかかる強力なマルチバンド・リミッターを想定して、収録段階でCL5にインストールしたRupert Neve 5033EQをピアノのインプット・チャンネルに5043 リミッターをピアノをまとめたミックス・バスに使用しているとのこと。

※収録エンジニアの新井康哲氏(J-WAVE)

※収録エンジニアの新井康哲氏(J-WAVE)

「PM40をオンの音、414をオフの音として大凡50%ずつにミックスしました。4099は使用していません。パンは414を左右いっぱいに、PM40はやや狭めに定位しています。」そしてPM40の音質について、「PM40はカプセルが音源に近いため、定位的な広がりを若干、心配していたのですが、サウンドチェック時にパンを振り切って、ヘッドフォンをしてステージマンによるピアノチェックでローからハイに順番に鍵盤をたたいていってもらったときに、流れるようによどみなく定位がかわっていくことにとても感動を覚えました。」そして、もうひとつの懸念だったというカプセルに近い鍵盤と遠い鍵盤の音量差も無く、「演奏者としてピアノに向き合った音、生楽器としてのピアノそのものの音」という印象を持ったとのこと。 

様々な演奏者によって異なる表情、そして芳醇なピアノの響きが楽しめたイベント。フォルテッシモ、ピアニッシモ、そして繊細な響きまでそのままに捉えるEarthworks PianoMicの表現力の証となるイベントとなりました。


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J-WAVE TOKYO PIANO JAMBOREE

  • 日時: 2014年4月13日
  • 会場: 両国国技館

出演アーティスト(出演順、敬称略)

  • さかいゆう
  • kaho
  • K
  • 大橋トリオ
  • 大塚 愛
  • 塩谷哲 with JUJU
  • スキマスイッチ
  • 清水ミチコ
  • KAN

 

取材協力: J-WAVE、株式会社 エス・シー・アライアンス サウンドクラフト ライブデザイン社

PHOTO : Hajime Kamiiisaka (除く*)

 


PM40ピアノマイク・システム

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PM40

ピアノ・マイク・システム

PM40T ツーリング・ピアノ・マイク・システムはPM40のマイク性能は変わらず、素早く、容易なセットアップとコンパクトに収納可能なアタッチメント、及びツアー用トランクケースを付属したツアー用モデルです。ピアノのマイキングに革命を起こし、レコーディング、ライブでのピアノ・サウンドの劇的な向上を実現すべくデザインされたピアノ専用マイクです。極めて幅広い周波数特性を持つマイクをマイク・スタンド、ブームを使用しないシンプルなソリューションにてピアノ内部に設置。

蓋を閉じた状態でも収音可能なため、周囲の楽器からの回り込みを劇的に抑えることが可能です。ピアノ蓋の開閉にかかわらず、ピアノが持つ多彩な表現力を逃さず収音します。

PM40, ピアノマイク・システム

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PM40

ピアノ・マイク・システム

PM40T ツーリング・ピアノ・マイク・システムはPM40のマイク性能は変わらず、素早く、容易なセットアップとコンパクトに収納可能なアタッチメント、及びツアー用トランクケースを付属したツアー用モデルです。ピアノのマイキングに革命を起こし、レコーディング、ライブでのピアノ・サウンドの劇的な向上を実現すべくデザインされたピアノ専用マイクです。極めて幅広い周波数特性を持つマイクをマイク・スタンド、ブームを使用しないシンプルなソリューションにてピアノ内部に設置。

蓋を閉じた状態でも収音可能なため、周囲の楽器からの回り込みを劇的に抑えることが可能です。ピアノ蓋の開閉にかかわらず、ピアノが持つ多彩な表現力を逃さず収音します。

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