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【補足記事】ミックスの最後に失われるもの

2013.10.29

スタッフHです。

昨晩公開をした前ポスト「ミックスの最後に失われるもの」。ここ最近の中では驚くほどの反響がありました。ページ上のTwitter/Facebookボタンはもちろん、ツイートそのものやFacebook投稿への反響も、嬉しいほどたくさんありました。

ミックス・マスタリング作業中に「mp3、AACに変換された後の音をモニタリングする」。

実際に体験していただかないと伝わりづらい製品のため、どうしたらこの製品をうまく紹介できるかな、と考えた結果「失われるもの」そのものをお聞かせしたら驚いてもらえるかな、と思った次第でした。

昨日のポストは「音を聞いてもらう」がメインだったので、ここではなるべく簡単に補足情報を。


  • 本プラグイン、Sonnox Fraunhofer Pro Codecは(以下、ProCodec)、その名の通り「Fraunhofer」との共同開発製品です

フラウンホーファー。事情通な方にはこの名前だけで「なるほど」と思って頂けるかと思いますが、ざっくりいうとドイツの巨大な研究機関です。私たちに関わる活動を抜粋すれば、「mp3やAACの規格の開発元」なのです。Fraunhoferがこのようなプラグインの開発を企画し、そのパートナーがSonnox社である、という事になります。


  • ProCodecは、単なるエミュレータのようなものではありません

とてもとても不思議なプラグインなので、ともすると「そんなすごい事をリアルタイムでできるわけないでしょ。リニアEQとかを使ってそれっぽくエミュレーションしてるだけでは?」と言われる事もありますが、実際には「そんなすごい事をリアルタイムで行っている」プラグインです(昨日のポストでも書きましたが、mp3やAACファイルの『書き出し』もできますからね)。

リアルタイムで行っていますが、その分プラグインの中で溜め込む時間もある程度必要です。コーデックによっては数千サンプルになる場合もあります。あくまでも、ミックス・マスタリング時に使用していただくものとお考えください。


  • 圧縮時にクリップしてしまうぞ、という事も、あらかじめ分かります

201502020_3593_pc_clip意外に知られていないのですが、非圧縮時のファイルはクリップしていなかったとしても、mp3やAACに変換するときにクリップする事があります。これがなぜクリップするのか、というのを説明しだすと(まだまだ浅はかな私には)ここでは説明しきれないので、割愛します。とにかく、変換時にクリップする事があるのです。

同一の条件でいくつかのファイルを変換したときに、なぜか特定のファイルだけ音が曇っていたり、歪みっぽいなと感じる事があれば、これがまさにそのケース。ProCodecは、あらかじめ「おいおい、このファイルをmp3に変換すると、クリップして歪んでしまうよ」というのをアラートしてくれる機能もあります。この画像でいえば、HE-AACの場合にクリップがでそうだ、とアラートが出ていますね。もちろんここで、アウトプットを微調整することもできますよ。


  • どの辺の帯域がとくにクリップの原因になりそうか、教えてくれます

201502020_3593_pc_clipband

この画像の赤い帯になっている部分(画像だと、6.5kHz〜18kHzくらい?)は、「おい、この辺の帯域がクリップの原因となりそうな場所だぞ」と教えてくれている部分です。

それぞれのコーデックには特徴があり、「なにを削って圧縮をしているか」も違います。上記のクリップが起こる原因は、それぞれのコーデックによって異なるという事なんですね。クリップしそうな帯域があらかじめ分かっていれば、作業もだいぶ捗ります。


  • 圧縮前は黄色、圧縮後は赤い部分です

201502020_3593_pc_bamoni

スクリーンショットの中で、圧縮前の音声は黄色のライン。赤いライン以下の部分が圧縮後の結果となります。音楽は決してメーターでつくるものではありませんが、これをみると何が失われるのかが分かりやすいですね。ハイエンドはそこそこ忠実なビフォーアフターですが、5kHz以下は徐々に削られている様子が見て取れます。

「圧縮された音は、平坦なんだよね」というコメントを見かけますが、この結果はまさにそういった言葉を裏付けるグラフと言えるかもしれませんね。このグラフィックは、リアルタイムで更新されます。


  • エンコードも、おまかせください

今やDAWにも、ひいてはiTunesなどのオーディオプレイヤーにもmp3/AACエンコーダーは搭載されています。ところがこのエンコーダーによってわずかな違いがあるという事は、あまり知られていません。ProCodecはmp3やAACフォーマット生みの親であるFraunhoferによるプラグイン。より正確に、より忠実に、元のファイルをmp3/AAC/iTunes Plusファイルに変換します。

この他にもたくさんの機能がありますが、本日はメインとなる部分を中心にお伝えしました。販売時のみならず、ウェブサイトへの掲載やデモ送付、など、ますます身近になるであろうオーディオファイルの圧縮。特性を理解して、より魅力的な作品の力添えになれればと思います。

>> Sonnox Fraunhofer ProCodec 製品詳細

 

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