• POPULAR LINKS
検索

本サイトでの Cookie の使用について

scroll

FOHエンジニア・Rob Griffin 氏 インタビュー

2016.08.13

JAZZ WEEK TOKYO 2013に久々の来日となった、ウェイン・ショーター。ジョン・パティトゥッチらトップ・ミュージシャンを従え、円熟の技と今年 80歳になるとはとても信じられない、圧巻のパフォーマンスを披露しました。

1995年よりウェイン・ショーターのサウンドを担い、43年ぶりのブルーノート・レーベル復帰作となったアルバム「ウィズアウト・ア・ネット」のエンジニアも務めたロブ・グリフィンがFOHエンジニアとして帯同しました。

Rob Griffin は生楽器のレコーディング、ミックスを得意とし、自分でも「クレイジー」というほど、機材の選択にも徹底的に音質に拘りをみせます。

そんなロブ・グリフィンが「間違いなくベスト」といって愛用するケーブルがVOVOX。音質に厳しいロブ・グリフィンがVOVOXを選んだ理由、そして奏でられる音の全てに大きな意味がある、トップ・ミュージシャンのライブ、レコーディングについて伺いました。

 

インタビュー

Q: 簡単にプロフィールについてお知らせいただけますか?

エンジニアとして活動する以前はミュージシャンでした。私がティーン・エイジャーだった頃ロックが常に革新的でとても刺激的でした。Black Sabbath、 The Who、Led Zeppelinなんかに衝撃を受けた私はエレキギターに夢中な少年でした。その後、70年代にCS&Nに出会い、アコースティック・ギター、アコースティク楽器に興味が移りました。アコースティック・ギターについては才能に恵まれたようで、上達が早く、やがてプロ・ミュージシャンとして活動するようになりました。また私は兄がエンジニアだったため13歳の頃よりスタジオに出入りして、EQなんかを良く触っていました。全て、独学ですが、そうやってミュージシャン時代にもエンジニアリングのノウハウと音への感覚を身につけていました。それで、自身の作品などではレコーディング、ミキシングなどもしており、時には他のミュージシャンからの依頼もありました。その後、1988年頃にウエイト・リフティングが原因で手首を怪我したのです。そこで、プロ・ミュージシャンとしての活動を断念し、エンジニアに転向しました。


Why VOVOX: ある日突然、雲が晴れたような感じですらある。


Q: VOVOXを選んだ理由は?

もちろん、音です。間違いなく、これまで使ったケーブルの中でベスト。音が良く見えるようになります。デジタル・カメラの解像度が上がったときと同様です。クリアーで既存のケーブルでは隠れていたものが明らかになる。まるで、曇が晴れたような感じです。生楽器のレコーディング、ミックスが私の得意とするところであり、専門分野です。だから、私はケーブルにウオームなキャラクターやブライトなトーンを求めていません。アーチストから生まれるサウンドを忠実に伝えてくれるケーブルを求めています。ミュージシャンのトーンをそのまま記録したいのです。VOVOX がゴールとする「the perfect transmission of sound signal: (完全なる音の伝送)」をまさに実現した正確さ、忠実性はまさに私が求めるものです。

Q: ウェイン・ショーターのニュー・アルバム「ウィズアウト・ア・ネット」のレコーディング・システムについてお聞かせください。

「ウィズアウト・ア・ネット」は主にヨーロッパ・ツアーでライブ・レコーディングしたものです。マイクをTrue System Precision 8 ( マイク・プリ)に入力しました。Precision 8にはTRSとDB25出力が搭載されているので、TRSからPA(FOH、モニター)に送り、DB25からIZ RADERのADに送りました。そこで使ったケーブルももちろんVOVOXです。リアルでまさに「ライブ」なサウンドでレコーディングできました。ミックスは自宅のスタジオで作業しました。自宅スタジオではモニターにADAM S2.5AとTannoy の15” サブウーファーを、レコーダーにRADERを使用しています。もちろんワイヤリングはVOVOXです。ミックスではまず、最初に各マイクのフェイズを揃えます。(ライブの音を忠実に再現するためには、)このプロセスは非常に重要です。そうやって、音の時間軸を揃えたら、Crane SongのEQ、コンプレッサーなどのアウトボードで各トラックを整え、仕上げていきます。また、これは他に無い使い方と思いますが、SONY DMX R100をフェーダー・オートメーションとパンにのみ使用しています。

Q: 今回はFOHエンジニアとしての来日ですがライブとレコーディングのどちらが中心ですか?

ライブとレコーディングはどちらも同じ程度で、どちらかが中心という訳ではありません。「ライブとレコーディングを両立できない。」という意見も良く聞きますが、私はそう思いません。ただ、私はライブ、レコーディングともに「生楽器」が私の専門分野です。だから、機材にも音質、解像度、忠実性には徹底的に拘ります。自分でも「クレイジー」と思うほどで、それで真剣に機材を選定すると、いつも高価なモデルが必要になる。これが悩みです。(笑)レコーダーにRADERを使用しているのも理由は音質です。編集機能に優れ、利便性が高いDAWがあることも承知していますが、やはり音質面でRADERが一番です。

Q: なるほど、それほどまでに音質を追求されるのですね。

はい。私がこれまでに関わったアーチストの多くが生楽器奏者です。ジャズが多く、ハービー・ハンコック、マイケル・ブレッカー、パット・マルティーノ、そして、もちろんウェイン・ショーター。他にフラメンコのパコ・デ・ルシアなど。素晴らしい音を奏でる一流のアーチストと仕事する機会に恵まれました。だからこそ、私は音質に拘ります。彼らの音をできるだけ、そのままリスナーにお届けしたいのです。

Q: では最後に、VOVOXの信頼性はいかがですか?トラブルが起きたことは?


ジョン・パティトゥッチのウッド・ベースにはVOVOX sonorus

No!全くない。とても「スイス」らしく、高品質で完成度、信頼性が高い。現場で全く不安に感じることは無く、いつでも素晴らしいサウンド。

一緒に仕事をするアーチストたちも皆、一度、私のスタジオでVOVOX の音を聞くと、帰る頃には皆、何かしらVOVOXを注文している。ベースのジョン・パティトゥッチもそう。

VOVOXを知ったその日から、ずっとケーブルはsonorusだ。

 

プロフィール

Rob Griffin

レコーディング、ミキシング、FOHエンジニア

ジャズを中心に生楽器のレコーディング、ミキシング、ライブ・ミックスとマルチに活躍するエンジニア。これまでに携わったアルバムが4度のグラミー賞に輝く。ハービー・ハンコック、チック・コリアなどジャズ・ジャイアントに加え、1995年よりウエイン・ショーターの「サウンド・トラフィック・コントローラー」としてライブ、レコーディング両面でウエイン・ショーターのサウンドを全面的に担う。



グラミー賞 受賞作品

  • Oracle マイケル・ヘッジス (1987)
  • Directions in Music ハービー・ハンコック、マイケル・ブレッカー、ロイ・ハーグローブ (2002)
  • Beyond The Sound Barrier ウエイン・ショーター・カルテット (2006)

TOPへ