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スタッフルーム:そのメーカーの「一番安価」なマイクで

私はそのメーカーの「もっとも安価なモデル」に注目してしまうクセがあります。理由は「そのメーカーの特色が分かるから」。前回ポストで少しだけご紹介した私たちのマイクブランド、Lewitt。この中でレコーディング用のコンデンサーマイクの一番安いモデルであるLCT240を自分用に購入しました。

2014.06.09

スタッフHです。

近年、プラグインの低価格化が進み、一級のエンジニアさんから私のような素人まで、プラグインなら誰しもが「同じもの」を使って制作できるような環境が整いつつあります。もちろん経験値の違いが音の違いに直結するので、たとえ同じものを使っていたとしても、決して同じサウンドには仕上がりません。この辺がミックスの楽しさであり、奥深さでもあるでしょう。

一方でマイクやスピーカーなどのハードウェアは、安価なものから非常に高価なものまで、さまざまな価格帯で発売されています。それぞれのメーカーの最高額の機種は、高価なパーツを使っていたり、とてつもないスペックを持っていたり、その機種でしかできない機能があったりと、高額である理由があります。

20150209_3610_IMG_6992私はそのメーカーの「もっとも安価なモデル」に注目してしまうクセがあります。理由は「そのメーカーの特色が分かるから」。安価だけにどこか手を抜いただけの商品ではないか、”使える”モノかどうか。メーカーの名前を付けてリリースする以上、どこまでのコストダウンを許容しているのか。

安価な製品があまりイケてないブランドは、高価なものもさほどイケてない、というのが勝手な持論です(高額なものをすぐに買えないという予算の問題が一番ですが・笑)。

さて、という事で前回ポストで少しだけご紹介した私たちのマイクブランド、Lewitt。この中でレコーディング用のコンデンサーマイクの一番安いモデルであるLCT240を自分用に購入したのです。


第一印象は、安価なモデルにありがちな外装の安っぽさがなかったこと。手のひらサイズほどの大きさしかないのに(大きさ比較については、前回のポストをご覧ください)、およそ300グラム。

これを使って、アコースティックギターとボーカルのシンプルなレコーディングを実施してみました。1:30秒のビデオでどうぞ。

本セッションのマイクプリアンプには、Metric HaloのULN-2を使用。レコーディングは96kHzにて行いました。EQやコンプなどは一切使わず、DAW標準のリバーブ、マスターにピークリミッティングのみ(音圧を出す目的ではなく)でリミッターを使用しました。一般的な賃貸マンションでのレコーディングだったため、ローエンドのノイズ(マイクスタンドの振動からくるものなど)をカットするために、マスターチャンネルにて40Hz以下をフィルタリングしています(近所で工事やってるんですよね…)。

 

・スモールダイアフラム

LCT240のダイアフラムは2/3インチ。同社では他にも同様のマイクがありますが、全て1インチ。このモデルだけが2/3インチなのです。豊かな低域の再現度という観点でいえば、他のモデルのほうに軍配があがります。しかしスモールダイアフラムならではの歯切れの良さ、スピード感と相まって、LCT240はLewittの中でも異彩を放つ存在のように思えます

 

・セッティングと、耐圧

2/3インチのダイアフラム、豊かな低域は1インチに劣りますが、ここを少しでも補うようにギター/ボーカルにはかなり近めのセッティングにしました。スタジオのようなルームチューニングをしていない部屋なので、近めのセッティングは部屋の反射音も抑えられます。

オートアッテネーションモードの時には、Lewittロゴが赤く光ります

オートアッテネーションモードの時には、Lewittロゴが赤く光ります

近くにセッティングすることで気になるのはマイク本体の耐圧ですが、LCT240は標準で146dbもの耐圧、本体のパッドを噛ますと最大で166db(!)もの耐圧性能を誇ります。ギターやボーカルのみならず、大きな音量の楽器にも安心して使用することができます。「この楽器にはパッドを噛ませたほうがいいかな…?」という判断ができなくても大丈夫。Lewittのマイクには自動でアッテネーター(パッド)を噛ませるべきかどうかを検知してくれるモードも搭載。この辺はまた改めてご紹介できればと思います。

 

・低域は分かったけど、高域は?

20150209_3610_3LCT240の周波数レンジは、20Hzから20kHz。では20kHz以上はすっぱり無くなるかというと、もちろんそんな事はありません。ビデオ中も何度か映像が登場しますが、40kHzまでのアナライザーを使って表示をしていると、20kHzからなだらかなカーブを描きつつも、30〜40kHzにもこれだけの情報を抑えています。


Lewittのマイクに注目してくださる方の中で、もっと豊かな低域も欲しい、という方なら、LCT540や640、あるいはこれから発売となる真空管マイクのLCT840/940もチェックしてみてもらえれば、と思います。

私はもうこのLCT240が可愛くて仕方がないので、ギターアンプやドラムのトップ、スネア、パーカッション系はもちろん、最近練習している三味線や二胡などの民族楽器にも試してみたくなりました。 LEWITT LCTシリーズ総合ページへのリンク>>


20150209_3613_staffH-200x247スタッフH

MIセールスマネージャー。休日はベースを弾くホリデーミュージシャン。コンパクトエフェクターが大好き。先日六本木のEX-シアターで行われたラウドネスのライブに行ってきました。最近「Let it Go」といえば誰もが口ずさむあの曲がありますが、私の世代でLet it Goといったら、やっぱりラウドネスのほうです(ライブでも演ってましたよ!)。

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