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新時代の効果制作ワークフローを提案するKROTOSの銃器サウンド特化型ツール

2018.05.14

新時代の効果制作ワークフローを提案するKROTOSの銃器サウンド特化型ツール。それがWeaponiser。

キャッチフレーズが「銃器のサウンドをデザインする、唯一のオールインワン・ソリューション」と有りますが、それを言い切って良いレベルだと思います。

自分の周りには映画、テレビ、ゲーム等の効果音を作成するサウンドデザイナーと呼ばれる方がおります。当然日常的にシーンに合う音を探したり作ったりしています。その中でも銃器サウンドはアクション映画やドラマ、ゲームに欠かせない重要な要素です。実際にサウンドデザイナーさんに聞くと、「銃声等は効果素材1つを使うくらいだと全然迫力無くて駄目なんだよね」と。大体4~6の音を組み合わせて一つの銃声を作られるとの事。

SAMSUNG CSC

気の遠くなる作業ですよね?実際十数年位前にDVD-PG用に毎日銃声と格闘してムービーに音を付けていましたから良くわかります。

ちょっと脇道に逸れますが、実際の銃声って結構淡白な感じなんですよね、映画やアニメ、ゲームで聞くあの銃声って実はサウンドデザイナーさん達が作り上げた物なんですよ。

その銃の音をDAW上で手軽に展開出来るようにしたのが、このWeaponiserなのです。正直最初はサンプリング素材をキーボードやマウス、MIDIでトリガーして鳴らすだけなんじゃないの?と思っていたらナント!物凄く芸が細かい事が発覚!!

ザックリ言いますと、4つのサウンドブロックがあり、各サウンドブロックには4つのサンプラーユニット(ONSET、BODY、THUMP、TAIL)と1つのシンセサイザーユニットが組み込まれた(そのうちの1つだけはシンセサイザーでは無く、IRリバーブが組み込まれている。と言うのも残響やサスティーン用のブロック)音源ソフトと言っても過言ではないかと。

 

本製品はインストゥルメント・トラックとして起動し、基本的にMIDIノート情報で発音(トリガー)します。ノートによって、全てのブロックの発音、ブロックごとの発音などの切り替えが行えます。

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プリセットを聞いてみると、これまた良く出来ているんですよね。それだけでも十分楽しめるのですが、プリセットをいじり倒してみるのも良いでしょう。このソフトを覚えると言う意味ではストイックに全くの0から組み立てて行くのも有りなのかも知れませんが、プリセットをぶっ壊す勢いで手を加えてみると、どの部分がどうなって音を構成しているのか?とか勉強出来る部分も多いと思います。まあ上書きしない限りいくらでも戻れますからね。

 

20180511_krotos-weaponiser-in-depth-review-kazuharu-nagumo_13-55-35

 

サウンドメイキング

実際に自分は両方の方法で試してみました。

最初はプリセット読み込んでからザクザク各ブロックがどの様になっているかを触りながらパラメータを操作して音の変化を確認していきます。続いて各ブロックのサンプル素材を差し替えてみて自分の音を模索してみる事にしました。キリの良い所でセーブをすれば履歴たどれますので「あ~やっちまった~!」と思っても安心。ここはPCを使う作業全体に言えることですから、こまめにセーブしておきましょう。

 

続いてゼロから音を作る事に。各ブロックやエレメントの扱い方はプリセットを触りまくって大体感は掴めた感じなので予め用意されている素材をプラグイン画面にあるブラウザーよりドラッグ・アンド・ドロップして読み込ませ、作っていきます。サンプルを読み込ませる同じ部分に同様のサンプルを複数回ドロップするとトリガー毎に違うサンプルを鳴らすことが出来るので、リアリティーの高いサウンドを作ることが出来ます。実際毎回全く同じ銃声というものはあり得ないですからこの機能は凄いな…と。

 

これらの各ブロックで音を仕込んだらそれらをミックスするミキサー部分にも注目しましょう。各ブロック(ONSET、BODY、THUMP、TAIL)で作られたサウンドはそれぞれミキサー部分に立ち上がり、ソロ、ミュート、リバーブセンドに加え自在に加える事が出来る4つのエフェクトスロットを経由してマスターへ送られます。なんとマスターセクションにも4つのエフェクトスロットが用意されており、イコライザー、コンプレッサー、リミッター、サチュレーター、リングモジュレーター、フランジャー、トランジェントシェイパー、ノイズゲートという音作りに必要な8つのエフェクト、そしてTAILブロックにはIRリバーブを装備しており、これだけでも十分クリエイティブなサウンド作りが可能になっている。UIに関しても有りがちな難解な構造になっている訳では無く、大変理解しやすいUIなのでガンガンいじり倒して見たほうが良いでしょう。

 

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基本的にこれらの作業というのは割りと地味なのですが、少しずつ自分の音が出来てくると、徐々に楽しくなっていくので気がつくと時間が物凄く過ぎていってしまう事になるのである意味危険だな…と感じたので、忙しく時間の無いプロジェクトの担当者さんはくれぐれもお気をつけてお使い下さい。結構麻薬的かも知れませんよ。

最初に「銃器特化型」と書きましたが、標準の素材ファイル以外もアクセス出来て素材として使えるので、ワンショット系やタイムラインのシーケンスを上手く使って銃器以外にも十分応用が効くのかな?と思いました。

実際にプリセットでは「Beats」という物があり、DAWのMIDIトラックからノート信号を送りサンプリング音源の様にも使うことを想定しているようです。

操作画面に関しては非常に分かりやすく直感的な操作でもある程度は使うことは可能でしょう。習うより慣れろ的な感じでしょうね。

 

本製品「Weaponiser」は3つのバージョンが存在し、各々の違いはアセット数、プリセットを構成するための素材サウンド数が変わります。

 

Weaponiser Basic :合計952アセット、515種類の編集済みウェポンサウンド、4種類のウェポン、389種類のスウィートナー、19種類のIR, 90種類のプリセット

Weaponiser Fully Loaded:合計2,288アセット、1594種類の編集済みウェポンサウンド、13種類のウェポン、692種類のスウィートナー、39種類のIR, 135種類のプリセット

Weaponiser Demo(10日間限定のデモライセンス):合計284アセット、75種類の編集済みウェポンサウンド 4 種類のウェポン、220種類のスウィートナー 、9種類のIR、67種類のプリセット

 

まずはDemo版でその雰囲気とUIの使い勝手を体験してみて下さい。その使い勝手と創造性にきっとハマってしまうかも知れませんよ。

 

著者プロフィール

名前:南雲和晴(なぐも かずはる)

所属:有限会社ハイパーソニック

 

大学在学中よりフリーランスにてマルチメディアタイトルの制作を皮切りに作編曲家のアシスタントを経て平成2年に有限会社ハイパーソニックを設立。以来レコーディングエンジニア、ProToolsオペレータ、作編曲、映像撮影編集、ディレクション等を行う。

それ以外では現場経験を踏まえ雑誌にて機材レビューやメーカーへのアドバイザーも経験。

2012年これまで簡易的なスタジオだったのを移転を機に本格的なスタジオを作りを行い、以降はほぼ自社スタジオでの作業が多い。

2016年にはアニメーション作品「カゲロウデイズ-in a day's-」で初めてサラウンドのミキシングを担当。 今一番興味がある事はイマーシブサウンドやバイノーラルサウンド。 PC環境はMacSEの頃からほぼMac一筋の筋金入りのMacユーザー。

 

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