音色にインスパイアされて生まれるピアノアドリブ50秒(1日目)
最高のピアノ音源のプリセットを呼び出し、その音色によって「生まれた」アドリブプレイをご紹介
2013.11.25
スタッフHです。
今日もまた新企画のひとつ、最高のピアノ音源のプリセットを呼び出し、その音色によって「生まれた」アドリブプレイを日々ご紹介していこうという企画。題して「1日50秒のピアノ・アドリブ」をお届けいたします。「1日」とことわっているのは、この企画が何日続くか(できるだけ毎日続けたい)まだ分からないから。
使用したピアノ音源は、私たちが自信をもっておすすめするSynthogyのIvory IIシリーズ。この中からアップライトピアノ「Ivory II Upright Pianos」と、イタリアの名品Fazioliの308を丁寧にサンプリングした「Italian Grand」。
なぜこの2つをピックアップしたかというと、本音でいえばシリーズの中で人気が下位だから(1位は圧倒的にGrand Pianos、2位は最新のAmerican Concert D)。
実際のピアノを導入するのであれば、アップライトピアノはグランドピアノの「代用品」かもしれません。住宅環境や価格などを考慮すると、グランドピアノは少々敷居が高いのも事実です。
が、音楽制作の上では少々異なります。アップライトピアノの音色は「コレでしか得られない」キャラクターがあり、決してグランドピアノの代用品ではありません。事実、アップライトピアノでレコーディングされた名盤といえば、数えきれないほどありますね。
とあるアレンジャーの方に、こんなお話を聞いた事があります。
最近のソフトウェア音源は非常に良くできているから、私も制作で使用しています。Ivory IIシリーズは4つ全て持っているので、曲に応じて使い分けているのですが、実は最も使用頻度が高いのがアップライトピアノ。ポップスやロック、あるいはジャズであったりしても使いますね。グランドだと豪華すぎて浮いてしまうとか、筐体の大きさを感じてしまって使いづらい、ミックスに馴染ませるのが難しいといった場合があるのですが、アップライトピアノはその点ほどよい大きさで、いい意味での存在感、芯の強さもある。比率でいえば、7:3くらいでアップライトピアノを使っています。
というわけで、もっとアップライトの魅力を広めるべく、ピアニストに元当社スタッフの道脇直樹氏(私たちは愛を込めて「ミッチー」と呼んでいます)を招き、こんなお願いをしたのです。
- Ivory IIのUpright Pianos、Italian Grandの2製品のプリセットサウンドを次々とロード
- 音色を聞いてみて、ミッチー氏が「弾きたくなったフレーズ」をアドリブで弾いてもらう
- フレーズを考える時間は30秒
- 弾いたままをレコーディングするので、ミスタッチはそのまま
- フレーズは50秒くらいで
思えばまぁ、なんともワガママなお願いではありますが、ミッチーの腕の高さを見込んでのお願いでございます。これを、本日より連投で「1日1曲」お届けして参ります。
使用したプリセットはIvory II Upright Pianosの中より、Modern Upright。現代最高のアップライトピアノだと讃えられるYAMAHA U5をサンプリングしたものを使用しています。
ミッチー氏が演奏に込めたニュアンスを最大限にIvoryに伝えるべく、鍵盤には先日リリースされたばかりの究極の鍵盤、KAWAI VPC-1を使用いたしました。長年実際のピアノ鍵盤に慣れ親しんだミッチーも「この鍵盤は素晴らしくイイです。しっかり弱いところもでるので、音源の魅力を最大に引き出せますね」と言っていました。
ダンパーを踏んで音が重なり合っていく瞬間や、強弱をつけた演奏のアタックなどに「アップライトらしさ」を感じます。
さてさて、明日のアドリブはどうなることでしょう。
Synthogy Ivory IIシリーズの詳細はこちらから
<ピアニストプロフィール>
1974年大阪府堺市生まれ。3歳からオルガン、6歳からピアノを始める。
神戸大学工学部を卒業後、数年間のエンジニア勤務を経て、2006年バークリー音楽院映画音楽科に留学。
2008年Alf Clausen Awardを獲得し、首席で卒業。
現在は都内を中心にピアニスト兼作曲家として活動している。