• POPULAR LINKS
検索

本サイトでの Cookie の使用について

scroll

☆Taku Takahashi meets Apogee Groove

「今の僕に一番必要なもの」

2016.02.19

ApogeeのGrooveは、手のひらにすっぽりと収まる小型のヘッドフォン用USB DAコンバーターであるだけでなく、ハイエンドのプロオーディオ機器にもなし得なかったクオリティを実現させた新感覚のデバイスだ。Apogeeがこれまで30年の歴史の中で培ってきたデジタルオーディオの技術を小さなボディに集約し、24bit/192kHzへの対応、ハイエンド機以上のクオリティ・低歪み・ダイナミックレンジを実現する4段のQuad Sum DAC、あらゆるヘッドフォンに自動的にマッチングを行うコンスタント・カレント・ドライブなど、最高のモニタリングの為のあらゆる用意を整えている。

そんなGrooveを真っ先に試していただいたDJ/プロデューサーの☆Taku Takahashi氏。ラップトップマシン1つで世界中のあらゆる場所から楽曲をリリースしている彼に、Apogee Groove導入後の制作について、そして貴重なトークとなる「音楽配信の今後」と、☆Taku Takahashi氏が主催する「block.fmの今後」についても語っていただいた。 

MI4_P1180097


スタジオのクオリティをそのまま持ち出しているような感覚

- ☆Takuさんはこれまで移動中の制作にはMacBook Proのヘッドフォンアウト端子に直接ヘッドフォンを接続してモニタリングされていたそうですが、Apogee Grooveを使ってみた第一印象はいかがでしたか?
ファーストインスピレーションで、低域の出方に一番の違いを感じました。「本当はこれくらい出てるはず」というところがしっかりと膨らみをもってチェックでき、タイトにローエンドまでチェックできましたね。MacBook Proに直接ヘッドフォンを指していた時に気になっていた「少し耳に痛いな」と思う帯域もGrooveを通すことで聴ける点が素晴らしいです。キック単音で聴き比べてみても明らかに違います。これなら移動先などでノートマシンを使っていてもしっかり音作りやミックスができるなと感じました。

- Grooveは接続されたヘッドフォン、イヤフォンのインピーダンスに合わせ、その特性をフルに生かす「コンスタント・カレント・ドライブ」という回路を搭載しています。多種多様なヘッドフォンのインピーダンス値をGrooveが自動検知し、ヘッドフォンの特性が最大限に生かされるように最適化されます。実際に☆Takuさんにもいくつかのヘッドフォン、イヤフォンで試していただきました。
20160219_apogee_Groove_POBそれぞれのヘッドフォン、イヤフォンの特性がしっかりと生きていますね。キック、ベースなど音作りをするときにもすごくモニタリングしやすい。リスニングだけじゃなく、いわゆる「打ち込み」をする人たちに向けて作られているなとすら感じました。

- Grooveのもう1つの特徴「Quad Sum DAC」、つまりDAコンバーターチップが1つだけでなく、各チャンネルに4つづつ、計8つのDAコンバーターを搭載し、よりクリーンで正確なDAコンバージョンを目指しています。☆Takuさんはどう感じられましたか?
僕はもともとApogeeの音や質感が好きで、実際に今もEnsembleを使っているんですが、Grooveはスタジオのクオリティをそのまま持ち出しているような感覚で使えます。見事です。Apogeeというとハイエンド製品のイメージが強い人も多いと思いますが、これはハイエンドのクオリティを低コストで手に入れたい人たちにもよい選択になりますよね。もちろん「安い」製品ではありませんが、一番大事なのはやっぱり「耳でどう聞こえるか」ですよね。GrooveはApogeeのトップクラスのサウンドをこのサイズでしっかり実現していますね。


 今の僕に一番必要なものです、これ

- ☆Takuさんの最近の制作スタイルとして、外出先で制作を行ったりする機会は多いのでしょうか?
多いです。だから、Grooveはかなりニーズがあると感じました。特に今のクリエイターやDJって電車の中や外出先とかで「あれとあれをマッシュアップしたい」とか「あのネタを使って、アイディアを入れておきたい」と思いついたりすることが多いと思うんです。でも、オーディオI/Oを持ち歩くのはちょっと辛い。

- 以前よりは小型化が進んでいますが「持ち歩く、どこでも取り出す」となると抵抗が大きいですね
パッと思いついたアイディアを「いい音で」すぐに形にしたいと思う人たちは増えているので、このサイズはめちゃくちゃいいと思います。

- 外出先でハイエンドなモニター環境があることで、☆Takuさんの制作スタイルに違いは出てきたりするのでしょうか?
僕の場合、週末は特に外にいることが多くて、最近はMacBookで曲作りをする機会が増えています。スタジオにいる間にサンプリングソースやオーディオの素材を集めておいて、あとは電車やホテルで曲作りをしていることが多いんですね。かといってオーディオI/Oをいちいち持ち歩いたり、準備したりするのは手間だったので、MacBookに直接ヘッドフォンを刺してやっていたんですが、どうしてもバランスを取ったり音作りをしたりするのは難しかった。でもGrooveなら、DJの出番直前でもミックス作業できてしまう、そのままフロアに投下できるクオリティでチェックができるなという自信もあります。

- 今(取材時)☆Takuさんがミックス中の楽曲、Shiggy Jr.のGHOST PARTY (☆Taku’s Future Jpop Remix)でGrooveをチェックしていただいています。
こうして聞いてみると、まさにスタジオでチェックしている感覚と変わらない。ミッドの違いもきっちり分かるし、ローミッドなら「あ、ここは少し抑えたいな」というのもすぐに判別できる。今の僕に一番必要なものです、これ。僕自身も使って日はまだ浅いですが、これからもガンガン使いまくりますね。実際(笑)。でも本当に、周りのDJにもオススメしたいですね。

- そこまで言っていただけると、私たちはもちろん、製品にとって何よりのありがたい言葉です。
だってもう、こうしてGrooveでモニタリングしただけで「あ、ボーカルのローミッド少し強いな」とか今までの環境では分からなかったところを凄く分かりやすく捉えることができましたからね。ヘッドフォンやイヤフォンで作っているときについつい出しすぎちゃう帯域も自然に抑えられます。

最終的にエンジニアの方に任せる人であっても、あるいは自分自身で最後まで作業してしまう人であっても、この小ささでハイエンドなヘッドフォンモニタリングの環境が得られるというのは素晴らしいことじゃないでしょうか。ちなみに僕は付属してきた専用の袋に入れて常に持ち歩いてますよ。Macならドライバなしで動きますから、出先で違うMacがあっても問題なしです。どこでも、同じハイクオリティでフラットな環境が得られるので、最強の武器ですよね。 

MI4_P1180098


音楽制作のみならず、ハイクオリティなリスニング用にもオススメのGroove。音楽配信の今後について、☆Taku Takahashiさんより貴重なお話を聞くことができました。
音楽のネット配信は、成功させなければいけない分野の1つだと思います。そして今はまさに成功するかしないかのちょうど分かれ道にある。日本の場合はデジタル・ダウンロードの供給が他国に比べて成熟する前に定額サービスがスタートしました。なので、大きなチャレンジになると考えています。

配信サービスとCDなどのパッケージはお互いにライバル関係にあるわけではなく、それぞれ形は違えどクリエイターが気持ちを込めて作ったものであることに変わりはないですよね。だから配信とパッケージのライバルは「タダで聴けちゃうもの」だと思っています。クリエイターが作った楽曲を正しくマネタイズできる環境は、今後ますます重要になると思いますね。

- ☆Takuさんといえばご自身が主催されているダンスミュージックの総合情報サイト「block.fm」の今後についてもお聞かせください。
DJやクリエイターの皆さんの協力だったり、リスナーの皆さんのおかげで3年以上も続けていられているのですが、今は次のビジョンに向けて、生まれ変わらなきゃいけないタイミングだなと思っています。block.fmを取り巻く環境もどんどん変わっていく中で、block.fmの存在意義を示していくにはどうするべきか、というのが今の課題ですね。

ダンスミュージックのシーンって、必ずしもレコード会社と密接に関わっているとは言えない。レコード会社的なアクションや発想から離れて、アーティスト、クリエイター、DJとどういった形で楽曲を発信していくべきか、またそういったシーンが好きな人たち同士をどうやって繋げていくかを考えながら、今後のblock.fmを進めていきたいですね。block.fmがA&R(アーティスト&レパートリー)のようなポジションになっていく、というのが近いイメージかもしれません。

世界にはまだまだ良い音楽があって、それを好きな人たちもたくさんいる。作る側も聞く側も、皆で一緒に成長できる場所を作れたらいいなと思っています。僕自信は最初から何も変わらないんですが、やりたいことがより明確になってきているのが、今のblock.fmです。


Profile , プロフィール

takutakahashi_cut☆Taku Takahashi 

DJ / Producer / m-flo / block.fm founder

1998年、VERBALとm-floを結成。ソロとしてもプロデュースやRemixを積極的に行う。ダンスミュージックの総合情報サイト 「block.fm」主宰。

TOPへ