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EVE Audio 技術解説

2014.12.08

parts

コンポーネントから独自設計

既製の部品を集めてスピーカーを設計するのではなく、EVE Audioは、構成パーツの設計も自ら行います。EVE Audioで使われている多くの重要なコンポーネントは、Rolandと彼のチームが求める性能を発揮するために、特別に製造されています。EVE Audioのスピーカーは、優秀な技術者の長年の経験と知識の集大成と言えるでしょう。

ホーム・レコーディングからプロフェッショナル・スタジオまでカバーする、幅広いラインナップのスタジオ・モニターとサブウーファーを、あなた自身の耳で、じっくりと確認してください。

dsp

DSPのコンセプト

すべてのEVE Audioのスピーカーは、高解像度のDSP回路を内蔵しており、使用環境に応じてモニターをチューニングすることができます。DSPという略語はモニター・スピーカーにそぐわないと思う人もいるかも知れませんが、私たちのDSP回路は、入力音を処理能力の幅に嵌め込むような処理はせず、難しい操作も必要としません。

クロスオーバーとフィルター・コントロールを機能を提供するDSPは、Burr-Brown製24bit/192kHz ADコンバーターから、入力シグナルをピュアなまま受け取ります。Class D(PWM)アンプリファイヤーはDSP回路から直接信号を受け取るので、DSPとアンプの間で不必要な変換は行われません。これにより圧倒的に原音に忠実な再現性を約束することができるのです。

DSPを採用したことで、ユーザー・フレンドリーな機能を実装することが可能になりました。フロントパネルのLEDリングが特徴的なノブは、外部の機器を全く必要とせず、DSPによる正確なボリュームとフィルターのコントロールを可能にしました。ノブによるコントロール機能は、誤操作や意図しない変更を防ぐため、背面のディップスイッチで無効にすることができます。

「どこまでも正確に、ミックスに施した仕事の結果を確認できるモニターを作りたい。」EVEがその目標を実現するためには、DSPの採用は不可欠でした。こうして、シンプルでインテリジェント、クリーンなサウンドのモニターが完成したのです。

DSP Filters | ルームサイズや設置場所に最適化

フロントパネルのLEDリング付きノブにより、ボリューム調整と以下のDSPフィルター設定が可能です。

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Low Filter
ロー・シェルフ・フィルターは、300Hz以下の帯域を+3dB~-5dBの範囲内で、0.5dBステップでブースト/カットします。壁面近くに設置した場合に生じる低域ブースト効果の対策に有効です。

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High Filter
ハイ・シェルフ・フィルターは、3kHz以上の帯域を、+3dB~-5dBの範囲内で、0.5dBステップでブースト/カットします。リスニングポジションの遠近に合わせた調整や、部屋の反響によるレゾナンス効果の対策に有効です。

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Desk Filter
デスクフィルターは2つの機能を持っています。これをマイナス方向に動かすと、ナロー・バンドEQとして働きます。ミキサーなどの表面からの反射による、ローミッドのブースト効果の対策に有効です。プラス方向に動かすと、ブースト効果が得られます。これらの周波数帯は各モデルの特性に応じた帯域となります。

design

シルバーのコーンとツイーター

EVEの「SilberCone」ウーファーは、EVE Audioが独自に開発したもので、EVEのスピーカーだけに使われているコンポーネントです。ハニカム構造を採用したダイアフラムは、グラスファイバーでコーティングされています。1インチまたは1.5インチのボイスコイルが、このウーファー・ユニットを駆動します。

この「SilberCone」ウーファーと完璧にマッチさせるために、EVEオーディオのR&Dチームは、ツイーターもオリジナルの部品を開発し、RS1、RS2、RS3という名称で呼ばれています。エアー・モーション・トランスフォーマー(AMT)の技術をベースに、独自の改良を施したツイーターも、同じくEVEのスピーカーだけに採用されているものです。内部の駆動部とリボンの両方に独自の改良が施されています。フロント開口部は、サウンドの色付けを防ぐために大きく開いています。また、すべてのスピーカーには、マグネットで簡単に正確に簡単に取り付け可能なツイーター保護パーツ「Grid」が付属しています。「Grid」の取り付けによって、高周波数帯の再生音が変化することはありません。

bassports

ベース・ポート

EVEのスピーカーのデザインで、音に関係のない要素は一切ありません。ベースポートは、低周波数帯域の再生効率を上げるため、ウーファーユニットの裏側から発せられるエネルギーを利用するものです。エンクロージャーの容量、チューブの形状や長さなどを適切に設計することで、スピーカーのパフォーマンスを大幅に改善します。しかし同時に、不適切な設計は、ポートによる空気の圧縮という悪影響をもたらします。ボリュームを上げるとボートの効率が下がり、ディストーションの原因になりかねません。

EVEのスピーカーは、通常より大型のエッジが丸められた長方形のベースポートを採用することで、低周波数帯域を効率よく再生します。タイトでパンチのある音圧感ながら、ディストーションは皆無です。非常に大きなボリュームで再生しても、低域の正確さは変わりません。

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サブウーファー

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2.1ch Solution|システム全体をコントロール

ステレオのモニター環境にTSシリーズ・サブウーファーを追加することは、単に低域の再生能力を追加するだけではありません。サテライト・スピーカーが不得意な超低域の再生をサブウーファーに任せることで、中高域がよりクリアに再生されます。さらに、サブウーファーに備わるDSPコントロール機能で2.1ch全体をマネージメント、音と操作性の両面で、モニタリング環境をより充実させます。

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Remote Control|スイートスポットを離れず操作

EVE AudioのサブウーファーTSシリーズには、本体のDSPを操作できる赤外線リモート・コントローラーが付属しています。サテライト・スピーカーを含めた2.1chシステム全体のボリューム、サブウーファーのボリューム、サブウーファーの再生帯域を決めるローパス・フィルター、フェーズの180°反転、サブウーファーをバイパスし、ステレオ再生に切り替える”PureSatellite”モードなど、2.1chモニター・コントロールに必要な操作を、スイートスポットを離れることなく行うことができます。

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ThunderStorm|底面のパッシブ・ラジエター

TSシリーズ・サブウーファーのディストーションが非常に低く正確でパワフルなローエンドの再生に貢献しているのが、すべてのモデルに備わる、エンクロージャー底面のパッシブ・ラジエターです。一般的なポート構造では、空気の流れがノイズの原因となることがありますが、駆動しないパッシブラジエターの採用により、サブウーファーとしては小型の7インチのモデルTS107でも、正確に力強い低域を33Hz(-3dB)まで再生します。

 

 

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