BeliEVErs Japan インタビュー

Shigeo Aoki SC305導入レポート

Interviewインタビュー

Q. EVE SC305 を試された第一印象はいかがでしたか?

 

まず、圧倒的な音像にちょっとニヤケてしまいました。スタジオで聴く3-Way スピーカーサウンドが、このサイズで再現できるんですから驚きです。これは「制作がテンション高くできる!」と確信したスピーカーでした。クリエイターにとってサウンドでやる気が出せるスピーカーは本当に重要です。

Q. EVE SC305 は、3-Way のスタジオ・モニターですが、いままでお使いの2-Way と比べて、優れていると感じたことはありましたか?またどんなソースをミックスしているときに、その違いを感じましたか?

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やはり3-Way は中域が断然聞きやすいです。今まで自分で作ってきたプロジェクトファイルを再生してみたのですが、2-Way との違いはすぐに分かりました。ヴォーカルが入ったプロジェクトを聴いたときに「おぉ!」と思わず声に出したことを記憶しています。ヴォーカルが生きる帯域が綺麗になり、他の音とのバランス、ミックスが断然聞きやすいです。また低音の鳴り方も以前と違うように感じました。スッキリした感じがあり、Bass やKickが聞き取りやすいです。3-Way スピーカーは楽曲でインパクトのあるパート(楽器)を各帯域ごとにハッキリと出してくれるので、ミックスの仕方そのものが変わりますね。また最近ではライブ音源の制作に関わることも多く、どうしても2-Way でミックスしたサウンドをSR システムで鳴らすと差が大きいのですが、3-Way はかなりに近いニュアンスで音作りができるので重宝しています。

ほとんどのレコーディングスタジオには3-Way スピーカーが導入されているため、ミックスもしやすく、素晴らしいのですが、コンパクトなサイズと音質が見合ったスピーカーが無く、悩んでいました。しかしながらEVE SC305 はこのサイズで3-Way サウンドの良さを十分に引き出していると思います。

Q. EVE のスピーカーの特徴の一つに、フロントパネルのノブ一つで、内蔵DSP のフィルターコントロールが可能なことがありますが、どんな状況で役立ったのかを教えて下さい。

 

ミックス時に困るのが低音の回り込みやデスクの振動などです。これによりミックスが悪くなってしまうので、スピーカーのチューニングや環境(部屋)を整えると思います。インシュレーターやスピーカースタンドを使うという簡単なことから、場合によっては内装を変えたりといろいろ試行錯誤されるかと思います。僕自身も今のスタジオに移ってから最初に困ったのが低音でした。どうしても部屋で回ってしまうので、内装をいろいろ触り、ようやく落ち着きました。

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ところがEVE シリーズにはDSP による音声処理が搭載されています。High/LowはDSP ならではの解像度の細かさ。通常スピーカーのチューニングはディップ・スイッチによる設定がほとんどですが、EVE シリーズはまるでコンソールのEQ のようにブースト/ カットを行うことができます。ホント” どんな環境でも最適な音にしてくれる” と感じました。そしてDeskフィルター。Desk なんて見たことも無いパラメーターに目を疑いました。これは机(デスク)の上に置いたときのチューニングを可能にしてくれます。これには驚きが2 つありました。まずEQ の動き方が他に無い独特のカーブ。確かにデスクの振動などの障害があるとき、チューニングする帯域が触れるようになっています。(参照:技術解説 – DSPのコンセプト)試しにスピーカースタンドを使わず机に直置きしてみましたが、驚きのチューニング精度です。このDSP がもうちょっと早くあったら内装を触らなくとも良かったかも・・・という悔しさもありました(笑)。

そしてユーザーのことをよく理解している点です。昨今、自宅でのミックスを最終音源にされる方がほとんどだと思われます。しかしながら、全ての方が良い環境でミックスを行えるわけではありません。ある程度妥協をするか投資をして内装を変えるなど対応をしていると思います。スピーカーに人間が合わせていたという感じですね。EVE の考え方は逆です。そんな自宅ミックスが増えてきている時代だからこそ、繊細なチューニングが行えるDSP を搭載し、スピーカーがユーザーの環境に合わせくれるという事です。それも簡単に。

Q. 青木さんにとって、モニタースピーカー選びの基準とは?

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まず音を鳴らしたときにテンションが上がるかどうか(笑)。クリエイターにとって楽曲を作る時のテンションは何よりも大事ですからね。環境や時代においてスピーカーは変化していると思います。しかしながら良いスピーカーは何十年経ってもどんな場所でも定番でいられます。EVE AUDIO のスピーカーが定番になって欲しいというのもありますが、DSP が付いていますので、環境や時代の変化にサウンドを合わせられます。まさに新しい時代のスピーカーと言えますね。


 

aoki-san

青木繁男 – Shigeo Aoki -

サウンドデザイナー/プロデューサー

アーティストへの楽曲提供、イベントや番組のテーマソング制作からプロデューサーとして活躍。マニピュレーターとしてSonarPocket、寺島拓篤、麻生夏子などに参加。最先端のDAWを駆使したサウンドを楽曲制作からライブステージまで届けている。

プロフィール/作品:High Speed Boyz inc.