スタッフHです。
前回ポストのエリック・パーシングさんのインタビュー、楽しんでいただけましたか?非常にたくさんの方にお読み頂いているようで、嬉しい限りです。
エリック・パーシングさんは世界中のサウンドデザイナーからだけではなく、数多くのミュージシャンからも厚い信望を得ており、NAMM SHOWでは彼が立つステージには常に超ビッグミュージシャンがいるんですね。一般の人に混じって。そういったビッグミュージシャンにとっては、エリックさんが開発するインストゥルメントが楽しみで仕方ないようです。
本日ご紹介するのは、そんなビッグミュージシャンの一人。常に進化し続け、多くのファン、フォロワーのいるハービー・ハンコック氏。「ジャンルを超えた活動」とは、彼のためにあるような言葉ではないでしょうか。
ハービー・ハンコック氏は古くからのSpectrasonics製品のユーザー。以下は、Spectrasonicsウェブサイトで公開されているインタビューを翻訳したものです。
第一線のミュージシャンは、どのようにインストゥルメントを使うのか。非常に興味があります。
案外私たちと変わらない使い方をしていたりしたら…もっと精進しないといけませんね。では、レッツゴー。

近年のミュージックシーンを象徴する、ハービー・ハンコック。
彼は音楽の限界やジャンルなどという枠組を超えて、常に名声を保ち続けているアーティストである。
簡単に説明するならば、アコースティックやエレクトロニックジャズやR&Bと、ジャンルを超えて多大な影響を与えた数少ない人物だ。
また彼は他者に先駆け、ソフトウェアシンセなどの最新技術やコラボレーションに取り組んできた。私たちSpectrasonics社一同は、彼が長年にわたるSpectrasonicsのユーザーであることを、大変嬉しくかつ誇りに思う。
ハービーがOmnisphereを始めて触れた時、彼はこう感想を述べてくれた。
「何時間かけてでもいじっていたいほどのサウンドだ。時間を忘れるほど、のめり込んだよ。その楽しさを誰かと共有しようと思って、マーカス・ミラーに来てもらって、事前に温めておいたアイデアをジャムしたよ。あの夜は本当に楽しかった!」
「初めてStylus RMXを使った時のことも覚えているよ。あのグルーブにはただただ、感心させられた。Chaosやミックス等の中身の部分に慣れてさえしまえば、本当にできることが多いんだ。他にも、特にTime Designerとの連携など素晴らしい機能をたくさん積んでるしね」
サンプル・ライブラリなど、Spectrasonicsの旧製品も彼のアレンジでフィーチャーされている。
「Vocal Planetなんかもよく使ってるよ。様々な文化圏の歌い手を自分のものにできるからね。数年前だけど、サラウンドのライブでVocal Planetを使った。現代的なバックグラウンド・ボーカル、ジャズのスキャット、トゥバの歌い手、ヒマラヤの女性ボーカル、こうしたサンプルをゴスペル・サウンドとのハーモニーを意識して使ってみたんだ」
Imagining the Possibilities
彼が手がけたアルバム、”Possibilities” の制作については、
「スティービー・ワンダーのカバーで、グルーブにStylus RMX、ベースにTrilianを使ったよ。このアルバムのドキュメンタリーの撮影では、Greg Phillinganesと僕がVocal PlanetとStylus RMXを使ってファンキーなグルーブを作ったりもしたね。そんな素晴らしい音楽が生まれる瞬間が、このプロジェクトのドキュメンタリーにおさめられているよ」
グラミー賞を受賞し、世界的にも大きな影響を及ぼした”Imagine Project”。このアルバムには特にOmnisphereとTrilianが使用されている。
「アルバムのある曲では、マーカス・ミラーがベースを担当している。でもレコーディングの後、彼のベースラインよりいいアイデアが浮かんだから、ベースラインを変えようと思って僕がTrilianを使ってキーボードで演奏したんだ。ちなみに、Trilianのベースサンプルのいくつかは誰の演奏か知ってるかい?
マーカス・ミラー本人だよ! 彼自身の演奏なんだ。意図的に彼の実際の演奏とTrilianの音をミックスしたってことだね。
マーカスが演奏した音と、僕がTrilianを使ってキーボードで演奏する音(笑)、どっちも彼なんだ!たぶん、彼には違いがわかると思うけどね」
Music from the Heart
良い作品をつくろうと、向上心のあるミュージシャンに対して何かアドバイスできることがあるかと尋ねたところ、彼はこう答えてくれた。
「音楽は人間をひとつにする素晴らしいものだ。大事なことは、君の心が大切だと感じる、思うところを表現すること。他人などに流されず、自分の信念を貫き通す勇気を持つことだ。たとえ、自分自身の中に疑念が湧いてしまったとしても、君のハート、信念にしたがって動くことだよ!」
常に未来を見据える彼は、こう続ける。
「近くとりかかる、ソロ・プロジェクトが楽しみだね。KorgのOasysやSpectrasonicsのOmnisphere、Trilian、Stylus RMX、これらの機材で作る音楽は、とてもエキサイティングなものになりそうだよ」
原文リンク:http://www.spectrasonics.net/news/news-content.php?id=60