スタッフHです。
先週開始いたしましたT-RackS Singles キャンペーン。72%オフというびっくりな価格もさる事ながら、購入したあとに「選べる」楽しさもあり、大きな反響を頂いております。「どれがいいかな?」なんて会話もいたるところで見かけますので、10個あるモジュールそれぞれの簡単な解説をしてみたいと思います。ご参考になれば幸いです。
● まずは、T-RackS 3 Singlesとは?
T-RackS 3 Singlesは、T-RackS 3 Deluxe(以下TR3 Deluxe)に収録されている10個のモジュールを、それぞれ「バラ売り」したもの、という事になります。TR3 Deluxeはもともとマスタリング・ツールとして発売をしましたが、収録されている10モジュールそれぞれが高い評価を頂いていたため、チャンネル・ストリップやバスの処理などにも使いやすいように個々のモジュールを独立させました。
この辺の情報に関しては、以前ここで記事にしたことがありましたので、ご参照下さい。
● で、どれを選べばいいのか?
T-RackS 3 Singlesを購入したあと、シリアルナンバーをオンラインで「登録」していただくときに、はじめて10個のモジュールの中から好きなものを「選ぶ」作業になります。購入時に選ぶ必要はありません。
10個モジュールには、それぞれ個性があります。欲しい質感や音色、やる気の出そうな見た目(重要)、効果で選んでいただければと思います。
以下は、私・スタッフHがアーティストやエンジニアの方、社内スタッフ、ディーラーの皆様などにお話を聞いてまとめたレビューです。「10個の中から2つまでは絞れたんだけど…」なんて場合にご参照下さいね。
・「Input Drive」で得られる独特の歪み感は、他では得られない心地良い歪み。コンプというよりサチュレーションを得る用途で使うことが多いかも。
・前バージョンよりも格段に出音がよくなっている。パラメーターを4つまで保持できて、クリック一つで比較できる機能(全モジュール共通)も素晴らしい。
・「SideChain HPF」があるので、ベースやキックなどの低域をロスしたくない楽器にも率先して使える。
・「Stereo Enhancement」は、WAVESのS1に似た機能でステレオソース左右の広がりを調節できる。これは本当に便利。
・マルチバンドのリミッターは各社からいろいろなものが出ているけど、これは得られる質感がやっぱり独特。アナログという言葉に条件反射するような人には絶対オススメ。
・マスタリング用途にももちろんOKだけど、ドラムトラックのステムミックスとか、ギターをまとめたバスに必ず使います。
・リミッターって積極的な音作りには向かないのかなと思ってたけど、T-RackSのマルチバンドリミッターは「音作り」さえできてしまう。ループものの質感を変えるのには重宝すると思いますよ。
・テープコンプから、デジタルクリップっぽい効果までつくれちゃう。全チャンネルに刺してもいいかもしれない。
・ツマミの数が少ないわりに、得られる効果の幅広さが面白い。バスやマスターに「軽く」かけておくと非常にいい感じ。
・コンプ臭さが強くないし、音が平たくならない。T-RackSの黄色いモジュールの中では一番「アナログ感」を出してくれるモジュールだと思う。
・大定番のEQ。プリセットが面白い。EQ1つでこんなに音を作れるんだな、と勉強させてくれたEQ。
・前バージョンではできなかった「MS処理」ができるようになったのが素晴らしい。
・「補正するためのEQ」ってより、「積極的に音作りするためのEQ」だと思う。エンジニア志向の人よりもミュージシャン志向の人に向いてると思う。結構強めにかけても痛い音にならずに、気持ちいい音になってくれる。
・このマスターリミッターがこんな価格でいいのか?ってくらい、抜群に素晴らしいマスタリングリミッター。マスター段に使うものを探している方なら、絶対コレを選ぶべし。
・「Style」でいろいろなキャラクターが選べるのがいい。音圧を稼ぎつつ、でも音がベタッとしない。
・マキシマイザー系、マスタリング系のプラグインは選びきれないほど数多くの製品があるけど、これは必ずもっておくべき1つだと思う。従来の「T-RackSっぽい」質感から、近年の「クリーンなまま音圧だけを上げる」質感まで、幅広く使える。
・リニアフェイズなので、積極的に音作りをしたい人には向かないかもしれないけど、マスターチャンネルに使いたいならこちらがおすすめ。位相の崩れなく処理できるEQを1つ持っておいて損はない。
・MS処理できるリニアフェイズEQ!この値段!
・リニアフェイズ処理をするかどうかをボタン一つで切り替えられる(編注:通常のEQとリニアフェイズEQを切り替えられる)というのが便利。
・LAシリーズを意識したものだと思うんだけど、「オプト」と名のつく通り独特のアタックが得られる。ソフトというと語弊があるかもしれないけど、ボーカルやストリングスには抜群に相性のいいコンプ。
・MS処理もできるオプトコンプ。ちょっとツッコミ気味にインプットを調節してあげると気持ちいいドライブがかかる。スレッショルドがないオプトコンプ、もちろん「アレ」ですよね?
・ビートものに抜群の質感。普通のコンプにある「RATIO」の他に「Compression」ツマミがあって、この2段構えでコンプの質感がガラっと変わります。一個持っておいてもいいと思える、他にはないキャラクターが好きです。
・OPTO Compessorと迷った結果、こちらのVintageにしました。FairChild 670系のコンプは沢山持ってるんですけど、コレクターみたいになってますね(笑)。IKのこのコンプは僕の中で非常に稼働率が高いです。
・ソースを選ばない、「音楽的」コンプといえばもうコレしかないと思います。何に使っても美味しくなる、万能調味料みたいな感じでしょうか。従来のIK Multimediaらしい、アナログ感を得られるのもいいですね。
・業務スタジオ常設のビンテージEQ、数々のモデリングものが発売されてるけど、これはかなり状態の良いものをモデリングしてると感じる。高域の雰囲気が似ているものはたくさんあるけど、低域の感じまで非常によくできている。
・音楽的に「いい感じ」の音を作れるEQ。実機のPulteq EQP-1Aと同様に、大胆にブースとしても決して音が破綻しないし、いい感じに落ち着いてくれる。実機を触った事がない人なら、これがあればどうしてこれが定番になったのか、というのを実感できるはず。
・周波数を設定して、同じ帯域に対してブーストとカットをかけるというユニークな構造で、独特の質感を得られるEQ。しかも実機ではできないMS処理モードがある、というのがポイント高い。
・ドラムサウンドには必需品!という方も多いと思うけど、ギターにもボーカルにも、ベースにも何にでも使える。コイツを使いこなす事ができれば、音作りの幅がぐっと広がるはずです。
…これに関しては残念ながら音のコメントはいただけなかったので、私スタッフHから。
音楽に本来、メーターは不要なのかもしれません。音を耳で聴いて判断して、その音が思った通りの音に仕上がるならば、それでいいのではないかとも思います。
でも、イマイチ不安が残るとき。超低域のローカットを慎重にやりたいときや、稼ぐべき音圧をメーターを見ながら調節したいとき。クラブで鳴らすためのキックのチューニングを微調整したいとき。最初は耳で判断しておいて、最終的にメーターで判断するのはアリだと思います。
また、このT-RackS 3 Meteringは単なるPEAK/RMSメーターではありません。周波数分布を表示するスペクトラム・アナライザー、音の左右の広がりを確認するPhaseメーター、左右の音の相関(モノラル再生したときに音が消えてしまわない、とか)を表示するコリレーションメーター、PEAKメーターとは異なり、より「人間の耳の聞こえ方」に近い表示をしてくれるラウドネスメーター、さらにさらに、音楽ジャンル別にオススメの音圧感を表示してくれる機能まで搭載しています。
この他にも、COILの佐藤洋介さんのロングインタビューもあります。まだ迷っている方はぜひご一読くださいね。
T-RackS 3 COIL 佐藤洋介さんロングインタビュー全文 >>
T-RackS 3 Singles 72%オフキャンペーンは、4月30日までつづきます。正直なところ、全パッケージ(10個)購入したとしても、T-RackS 3 Deluxeより安い…
さておき。どのモジュールがいいのかなーとお悩みの方の参考になれば幸いです。
T-RackS 3 Singles 72% OFF!4,000円でお釣りが来るキャンペーン >>
非常に個人的なお話になりますが、私スタッフHは東北の出身で、大学生の4年間は仙台で過ごしました(仙台にお住まいの方なら、”山の上にある男ばかりの大学”と言えば伝わりますでしょうか)。今回の震災地域には友人、知人もたくさんおります。中には連絡がとれていない人もいます。
震災のあった3/11の翌日から、ヤマハ仙台店さんでセミナーを開催させていただく予定で仙台に向かう事になっていましたが、今回の震災で保留・延期となってしまいました。
本当にひどい被害にあわれた方は本ブログをご覧いただく事はおろか、安心して音楽ができるという環境にない方もいらっしゃるかもしれませんが、一日も早い復興と、みなさまのご無事を心からお祈りいたしております。また、延期日程調整中とさせていただいているヤマハ仙台店さんでのセミナーが開催できるタイミングになりましたら、私にできることを精一杯したいと思っております。