スタッフHです。
世界中にプラグイン・デベロッパーは数あれど、Spectrasonics社ほど魅力的な製品を出し、長く愛用されつづけているメーカーは他にないでしょう。前作であったStylus RMXの発表から4年(発売から3年)の期間は、今回の新作への開発期間そのもの。1つの製品にこれだけの時間をかけ、真剣に制作しているのも、世界中で最も注目と絶賛を集める彼らならではのこだわりなのかもしれません。そして今回、彼らは「ソフトシンセ」のカテゴリで一つ次の次元に抜きん出てしまいました。
さてさて、そんな前置きはこの際どうでもいいですね。さぁ、これがSpectrasonicsからの新製品。その名も

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Omnisphereは、世界中の人たちが「Atmosphere 2」と予想していた内容を遥かにしのぐ、モンスターシンセサイザー。新たなSTEAMエンジンを自社開発し、クリエイティブな発想でうまれたサンプリングサウンドとシンセサイザーを組み合わせたハイブリッド・モジュール。
Atmosphereの10倍以上というライブラリを収録し、さぞかし音色を探すのも一苦労かと思いきや、これまでになかったインテリジェンス溢れるブラウザを用意。元となるカテゴリーを選択すると、それにあわせてサブカテゴリーの枠が変化するという仕様は、Omnisphereを隅から隅まで使い倒すのに便利でしょう。
画像でいえば、Human Voiceを選択すると、後に並ぶサブカテゴリが「Original Source」「Gender」と変化します。また、それぞれの音色にはイメージとなるピクチャも表示されるようになりました。さらにキーワードによる検索機能も搭載。
また、アルペジエイターはこれまで存在してきたどんなアルペジエイターよりも直感で使用でき、聞いた事もないようなサウンドを作る事ができます。偶然に頼ったものではなく、まるで素手で音を鷲掴みにしているかのような感覚さえ生まれるダイレクト感は、これまでにありませんでした。
デモを行ってくれたEric Persing(同社のクリエイティブ・ディレクター)はここでさらに、
「アルペジエイターにノリを出す事もできるけど、ノリといえば…僕たちにはイイものがあったよね?…そう、Stylus RMXだ」
そういうと、Stylus RMXからOmnisphereに直接MIDIファイルをドラッグ&ドロップ。ビートに「シンク」というよりは、キックやスネア、ハイハットなどの各ビートに「絡み合う」ようにアルペジエイターが動作します。この瞬間、会場には一気にどよめきが。
Omnisphereは本当に奥が深く、とてもこのエントリーでご紹介しきれません。ここでご紹介した以外にも、視認性にすぐれたモジュレーションエリア、エフェクトモジュールの追加、演奏するシンセとして追加されたスタックモードや、ライブモードなどなど。
でも、Omnisphereが「次世代のシンセ」である最大の理由は、なによりもPsycoacousticと呼ばれるライブラリ、これに尽きます。長い開発期間の間に、彼らは本当に気が遠くなるほどのサンプル集めと、編集に時間をかけていたようです。
電球の中でフィラメントが ”カラカラ” と転がる音。アコースティック・ギターを鉄の網にくくり付け、網をボウイングしたときの振動をギターのサウンドホールから拾った音。鉄製の皿に果物を乗せ、グルグルと皿の上で回したときの音を、上からマイクで(さらにマイクを回転させながら)拾った音。
こういった音を、オシレーターとして編集。会場の誰しもを驚かせるサウンドに生まれ変わっていました。イメージわかないですよねー。関連したビデオも公開される日が来ると思いますので、楽しみにお待ちください。
会場ではこれらの音を収録していた時の様子を写真やビデオで公開。最も話題となったのは、「Burning Piano」。アップライトピアノを燃やしながら鍵盤をおさえ、弦が燃え切れるまでの間の音を使用したサウンドは、なぜかとても美しいパッドサウンドに生まれ変わっていました(やっぱりイメージわかないですよね・笑)。でも、燃えている音も分かるし、ピアノの弦の音も感じるんですよ。でも音はパッドなんです。
誰もやらない事をやっているばかりではなく、普通に考えると音楽的な音にならなそうなものから、誰しもを唸らせる音を作り出す。そう考えると、3年以上もの時間をかけて開発された事も頷けます。デモで紹介された音色は氷山の一角中の一角。数千種類も収録されているとの事。
Omnisphereの発売は、9月15日と発表されました。
書ききれなかった内容は、今後も分かり次第でご紹介します。