Media Integration, Inc. Staff Blog

Staff Blog!

22 Dec 07

あなたの部屋は完璧ですか?

スタッフHです。

突然ですが、皆さんが普段ミックス作業を行う部屋は、完璧ですか?

どんなに多くの人が絶賛するモニタースピーカーを使用してみても、どんなにケーブルや電源にこだわっても、吸音材を貼ったり、インシュレーターをかませたりしてみても。それらを再生する「部屋」が完璧でない限り、 モニタースピーカーは100%の力を発揮できませんね。

安くはないお金を投資して購入したモニタースピーカー。みなさんの「お部屋」は、その力を100%発揮できているでしょうか。

arcbox

先月開催されたInter BEE 2007で日本初公開を行ったIK Multimedia / ARC System(DAWユーザーのための、音場補正システム)。弊社ブースを訪れるお客様は、一様にその効果の絶大っぷりに驚いていたのが印象的でした。

「これなら自宅でも満足にミックスできそう」「こういうのを待っていた!」「EQの使い方が変わりますね!」そういった感想をいただきました。

このARC Systemが、いよいよお正月も差し迫る12/27、発売となります。お正月休みにじっくりとミックス作業に向き合える時間をとれそうなら、大事なミックス作業に入る前に、一度この製品をチェックしてみてください。

IK Multimedia / ARC System(Powered by AUDYSSEY Multeq)製品詳細ページ

という事で私・スタッフH、このIK Multimedia / ARC Systemを使用して、自宅のシステムの音場補正を実際に行ってみました。果たしてどれだけの効果があるものなのか、作業の手順も含めてご覧ください。

micパッケージを開封すると、ソフトウェアが収録されたCDと、解析をするためのマイクが入っています(写真)。マイクは専用のオムニ・マイク。それからマイクホルダーがスポンジ素材に埋められるように納められています。マイクをスタンドに立て、ケーブルをオーディオインターフェイスに接続。インターフェイスからファンタム電源をオンにすれば、準備完了です。

setさてこちらがセッティングを行った図…すいません写真をとるために机上を片付けました(笑)。私の自宅は、KRKのV4を使用しています。

インターフェイスは弊社で扱っている高品位のFireWireオーディオインターフェイス、Mobile I/O 2882を使用。ミキサーレスの環境を作れるため、非常に重宝しています。ファンタム電源もこちらから供給。

まずは、部屋の特性を解析するためのソフトウェア、ARC Measurementを起動。このARC Measurementは、ウィザード形式で行う作業が画面上に表示されるので、取説を読まなくても作業が進められます(でも読んでくださいね。大事なポイントも記載してありますので)。

画面に従ってマイクの位置をずらしながら、最低12〜最大32ポイントで解析を行います。解析が終わると、解析結果に名前を付けて保存。スピーカーの画像もプリセットから選択する事ができます。ちょうど黄色いコーンの画像がありました。

解析が終わったら、DAWソフトウェアを起動。マスターチャンネルにARCをインサート。さて、私の部屋ではどんな解析結果が得られたのでしょうか。

resultこちらがその画像(クリック拡大)。オレンジ色のラインが解析の結果、白のラインが補正後の結果。注目すべきポイントがたくさんあります。

50Hz以下が滑らかにロールオフされていますが、これはスピーカーそのものの特性。補正された白ラインも同様のカーブでロールオフされてます。

LR両チャンネル共に、100Hz近辺に大きなディップができています。特にLチャンネルではマリアナ海溝かよと突っ込みたくなるくらいの沈みっぷり。これまで自宅でいくらがんばっても、ちょうどこの辺の帯域の調節ができなかったのはこのせいだったのか…。こんな状態では、どんなにすばらしいEQを使ってみたところで、正しい調節なんかできるわけがないですね。

wall中低域では、こちらもLRともに500Hz近辺が異様なほどに膨らんでいるのがわかります。私の部屋は写真の通りスピーカーと壁との位置が近いため、低域の回り込みや干渉が起こりまくってるのだろうと推測できます。

雑誌の特集などで、スピーカーと壁との位置はなるべく離して設置すると良い、という記述を見かけますが、よほど広い部屋でない限り、このようなセッティングで使用されている方、多いのではないでしょうか?

私の部屋の場合、左側のスピーカーは後ろ側の壁にも近いうえに、本体の左側にも壁が迫っているためか、解析結果を見てみるとL側のチャンネルが100Hzから500Hzにかけてさら膨らんでしまっているのも確認できます。

中高域に目を向けると、Rチャンネルの800Hz〜2KHzあたりの広い範囲で削れてしまっているのが確認できます。多くの楽器が集まるこの大事な帯域がこのような結果では…やはりミックス云々と語れるような環境とは言えないですね…。

さらにさらに。私の部屋で使用するV4は、すでに3KHzあたりからフィルターでも通したかのように落ち込んでしまっています。確かにいつも、ハイエンドの抜けが良くないと思い、マスターチャンネルのEQでハイを若干あげてしまう事が多々ありました。そんなミックスを別の環境で聞くとどんなことになるか…容易に想像ができますね…。

このような環境では、いくらもっと高くて性能がよいスピーカーを使用してみても改善されるものとはいえませんね。どんなに癖がないスピーカーを使ったとしても、使用する環境(部屋)でこれだけの歪みが発生してしまいます。

ARCプラグインでは、こういった空間の歪みを補正。使用する部屋にあわせたフラットな特性を取り戻す事ができます。

● ARCを使用する事のアドバンテージ

技術的にどのような事が行われているのかは、技術班のスタッフOKくん、スタッフSさんに場を譲るとして(逃げ口上)実際にこのARCを使用した結果、どのようなアドバンテージが得られたのか、具体的に追ってみました。

まず、EQの効果がシビアに聞き取れるようになりました。先述の通り、私の環境ではローエンドの回り込みが激しい状況 → 極端なEQ処理になってしまいがちでしたが、これにより1db単位での違いがはっきりと聞き取れるようになりました。プロフェッショナルのエンジニアなら、さらに細かい単位で聞き取る事が可能でしょう。

また、位相の乱れが改善された結果、センター定位の音声がバシっと中央に位置している事を認識できるようになりました。さらに、リバーブやディレイなどによる空間の広がりも以前より断然見えやすくなります。逆にオフにした瞬間には、固まっていないコンクリートのようにヌメヌメと音がぼやけてしまうように感じます。

中高域に関しては、薄手どころか厚手の膜を一枚取り除いたかというほどに明瞭になりました。 ここまでセッティングして使用することたったの2日ですが、すでにARCなしでのミックス作業が考えられないほどのものになりつつあります。

あくまで私見ではありますが、ARCは日本の住宅環境にこそ適した製品。スピーカーと部屋との関係を良好なものにするという画期的な製品で、スピーカーが本来持っている性能を100%発揮できるようになります。私もそろそろ長年使ってきたこのV4から、違うものに買い替えを検討していたところでしたが、そんな必要もなくなりました。

IK Multimedia / ARC Systemは、12/27の発売予定です。

製品詳細ページへ

Search

ブログ内を検索
2010年9月
« Aug    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930