Sound Recording & Mixing Engineer

Jun Tendo

19 Feb 09

FLUX - Epure II

お久しぶりです・・・昨年末にスタッフHさんよりご紹介のあったFLUXの各種Plug-Insをスローペースながらもじっくり試してみて、その中から個人的に気に入った部分とか興味深かった面などをコメントしてみようかと思います。

Epure II

EQの質感では、どんなにブーストしていっても歪み感が殆ど出てこない点は素晴らしく、デジタル・ドメインで作業していると不必要なデジタル・クリップ的な歪み感はただただ聞くに堪えない音・・・そんな歪み感を感じられないサウンドであり、Epure IIはMDWなどとはキャラクターが違うクリーンなサウンドですが、そのクリーンさはマスタリング・EQの様な高品位であり、EQ臭さを出したくない場合には大変重宝するEQという感じです。

ボーカル、ストリングス、ピアノ、アコースティック・ギター、シンバル、など高域の倍音成分が多いソースで、音色補正、または音色等価という目的ではなく、タダひたすらにキラキラさせたいとか、中域の粒だちをくっきりさせたいなどの場合、倍音歪みが殆ど感じられないEQなので、チャンネル毎にマスタリングしているような感覚でEQ出来る辺りは使い込めば使い込むほどに手放せなくなりそうな予感がしています。

API 550AのアグレッシブなEQサウンドとは対極に位置する別な意味でのアグレッシブなEQとして、とても好感が持てるPlug-Inですね。因みにこの機種だけはTDM版も出ているので、TDMで使う時のレーテンシーがとても少ない面は、生楽器を録っている時などにモニター上のレーテンシーが気にならない範疇なので、この部分はMcDSPのFilter Bank並みに優れています。Sample Rate 96KHz時にこのサウンドで4 sampleしかレーテンシーが無いのはとても素晴らしいです。

気に入ったポイントとして・・・今までやりたくてもなかなかスムースに可変させることが難しかったAとB、2種類の違う設定を連続可変させる「1つのプリセット内にA/B2つの設定と、A/B設定間をモーフィングするフェーダーの位置を記録可能」という機能にまず目が行き、例えばJeff Lynneがいたことで有名なELO(Electric Light Orchestra)1976年の『Telephone Line』という曲、冒頭で中域だけの電話から聞こえるようなサウンドに処理されたボーカルから段々と普通に音色が変わってゆく部分など、今まで似たような効果を出そうとするには2本のフェーダーで別々に違う音を作ってクロスフェードさせるような手法が一番手っ取り早いのでそのようにしていましたが、このFLUX搭載の機能を使えばいとも簡単に出来るので、妙に嬉しく感じました。

周波数表示させる画面のスケールが、ブーストやカットなどしている時の上げ下げ量に応じて6dBスケールの詳細表示状態から12dB〜24dBと、その時々での上げ下げ幅に応じて周波数表示のスケールが自動的に追従可変してくれるので、普段MDWのHi-Res Parametric EQで表示スケールをその都度判断しやすい用に6dB~12dB~24dBと手動で切り替えていた事から比べるととても使いやすいインターフェースに出来上がっています。

FLUX - EPURE II (6dB Scale)

FLUX - EPURE II (6dB Scale)


FLUX - EPURE II (12dB Scale)

FLUX - EPURE II (12dB Scale)


FLUX - EPURE II (24dB Scale)

FLUX - EPURE II (24dB Scale)



表示スケールが変わる度にQの幅も段々と狭くなり「いかにもブーストしてます」というポイントが解りやすくなってくるので、表示変更不可能なEQが多い中、MDWの物は好みで切り替えられるけど、FLUXのEpure IIは自動的に追従してくれるので、些細なことですが作業する上では何かと助かります。

そしてもう一つ気に入ったポイントは、今までのEQでは「トータルでどのような周波数特性にしているか」を表示する一本の曲線しか表示されませんでしたが、FLUXでは各々のステージにて調整している周波数の状態が各々のステージ毎に振り分けられたカラーで個別に表示され、全体でのEQカーブはそれらを統合するように表示されているので、実際どの周波数がどこに作用しているかなども確認しやすいので、これも些細な事ですがインターフェースの新しい解釈として他のメーカーにも採用してもらいたい機能です。

FLUX - EPURE II (Freq Curve 01)

FLUX - EPURE II (Freq Curve 01)


FLUX - EPURE II (Freq Curve 02)

FLUX - EPURE II (Freq Curve 02)

次回は次に気になったFLUX Plug-Inをご紹介してみたいと思います。

12 Jan 09

随分留守にしてますが・・・ジャコのネタでご勘弁を

随分とブログへの書き込みをしていなかったので、ここのブログ投稿時に使っていたTAGなどをすっかり忘れてしまいそうです。今回はTAGを使わずに書き込んでみます。実はスタッフHさんの方からProTools|HDでも使えるPlug-Insネタはもらっているのですが、なかなか進んでいませんでした。もう「明けましておめでとうございます」とは書けない時期になってしまったのも気になってました。Osamu ‘’shu” Imamotoさんからのあぶり出しに応えて書き込みを・・・

2009年の門出を祝って、小ネタをひとつ。

今からさかのぼる事29年前の1980年6月25日、私にとって人生を左右するようなものすごく大きくて生涯忘れられない出来事がありました。昔ヤマハ渋谷店に居た頃私と近しかった方々は知っている話しなので、何を今更またその話しかい・・・と思われる事とは思います。

1980年6月25日、場所は西新宿の京王プラザホテルのエントランスで始まりました。その日、友人とWeather Report中野サンプラザで公演後に戻ってくるメンバーに一目会いたいという少年的な思いと、サインだけでももらえれば宝物だ・・・という良くある10代の思いから出来事は始まりました。

当時のWeather Reportは人気絶頂期で、新宿厚生年金のコンサート後は裏にある楽屋口の出入り周辺は100人くらい、またはそれ以上のファンで埋め尽くされていて、遠巻きに一目見ることは出来てもサインなどもらえるような状況ではありませんでした。そこに友人と2人でかなり後ろの方からその様子を眺めていた訳ですが、送迎に来ていたハイヤーのドライバーさんが(どうやら私と同じ年頃の音楽好きな娘さんが居てファンの熱狂する気持ちがよく解るそうでした)「こんなに沢山の人が居たらサインなんてもらえないし握手も出来ないだろう・・・」ということで「京王プラザに泊まっているからそっちへ行った方がいいんジャマイカ」と私らだけに宿泊先を教えてくれたのです。当時はそんな感じでホノボノした時代だったのかも知れませんね・・・いまならストーカーやら色々と問題が多いので、守秘義務があってこんな話しは出来ないはずです。

1980年はまだそんなにコンサートへお金を掛けられなかったので、この年のWeather Reportは自分で買った6月23日の厚生年金ホール分とPeter Erskineに招待券をもらった7月1日の渋谷公会堂分、計2回しか見られませんでした。1981年には奮発して都内4箇所のコンサートに行くようになりましたが・・・

そこで私と友人は日にちを変えて京王プラザに向け出直す事にしたわけです。6月25日は中野サンプラザでの公演日であり、大体コンサートが終わるのが21時過ぎ頃、21時30分にはホテルに戻ってくるだろうという推測の元出かけたわけです。友人は「堕ちた天使 Ceterfold」などのヒットで有名なJ. Geils Bandもすごく好きで、同じホテルに宿泊しているそのグルーピー達と仲良くなってしまい、J. Geils Bandのファン方面に行ってしまっていました。そこへコンサートを終えて戻ってきたJoe ZawinulとWayne Shorterがまず戻ってきて、片言の英語でコンサートの感想を言ってサインをもらいました。さほど時間を空けずに今度はJaco PastoriusとIngrid Pastorius(当時の奥さん)そしてPeter Erskineが一緒に戻ってきて、握手とサインをもらいました。(この時期はまだパーカッションのRobert Thomas Jr.は参加していませんでした)

ここまでならごく普通の出来事で終わりなんですが、その後ひょんな事が起こりました。Ingridが「何か楽器やってるの?」という感じで質問してきたので、「あ、ええと、ベースやってます」と下手くそな英語で答えたら横でその話しを聞いていたジャコがすぐさま「Oh!, Bass… come on!」と言って親指をくわえてビールを飲むジェスチャーをして一緒に来い、と言ってくれたわけです。もう足がガクガクブルブル震えたのは言うまでもありません・・・こんな展開を全く予想していなかったんですから・・・しかも周りにコンサート関係者が全然居なくて、メンバーだけが戻ってきてメンバーだけのコンサートの後夕食に巻き込んでくれたわけです。

Peter Erskineは一度部屋に戻ってシャワーを浴びてから合流すると言う事で部屋に行きましたが、JacoとIngridに引き連れられて当時地下にあった樹林というパブ・レストランへと向かいました。そこで2〜3時間の間、Jaco Pastorius、Ingrid Pastorius、Peter Erskineに囲まれて生きた心地がしないほどの緊張感の中、地に足が付かないままに一緒の夕食(飲み)時間を過ごさせてもらったわけです。因みにJacoはHeinekenの瓶を何本もラッパ飲みしてましたが、顔は真っ赤っか・・・酔っぱらうと普通の28歳のアメリカ人的でしたが、とにかくフランクで自然体の人で、後にJAZZ LIFEなどで記事にされたような奇行などはみじんも想像できない人物でした。Ingridは中南米の生まれなのか、茶褐色でものすごくエキゾチックな美人でした。アメリカ中南部にはこんな美人が居るんだ〜・・・と当時は思ったほどです。あまりの緊張感に何を話したのかも殆ど覚えていないんですが、ベース奏法に関して少しJacoに質問して、右手のフォームの事やピチカートの時どこの関節を中心に動かせばよいか・・・とか話し、Jacoはしきりに「ギグは週何回やっている?」とか東京のギグ事情に興味があるようでした。

そんなわけで、少し飲めるようになった今は、Heinekenの瓶ビールを買ってJaco Pastoriusへのリスペクトを込めて飲んでいます。缶では味が違うんです・・・その事も最近は解るようになってきました。瓶の方が喉ごし良くすっきりしていて、味わいも良いのです。缶の方はアルミの味がするというかちょっとピリッと辛いのです。しかし、Heinekenの瓶ビールは普通になかなか売っていないので、量販酒屋か検索して見つけた酒屋で買うしかないのがちょっと大変です。STB 139は店にHeinekenが有るので、観に行ったときはついつい何本か飲んでしまいますが、店で飲むと割と酔わないのでゆっくり味わえるのが良いです。

この後、Recording Engineerを本格的に目指したのは、高校時代に聞いたWeather ReportのHeavy Weather以降やWord of Mouthというソロ・アルバムでのサウンドが好きだったんですが、そういった音作りをしているのは機械工学や電気知識があるエンジニアではなく、Jaco Pastoriusのようにミュージシャンの視線で作っているからなんだ・・・という思いと実態がハッキリと感じられ、ミュージシャンの視線や考え方で作る事を少しやってみようかな・・・というまま今まで続けている事になってしまいました。

長々と29年も前の出来事を綴りましたが、新年の挨拶を兼ねた読み物としてお読みくださっていれば幸いです。m(_ _)m

16 Nov 08

Abbey Road Plug-Ins / Brilliance Pack

Abbey Road Plug-Ins から出ている Brilliance Pack という物があるのですが、もともと1960年代にEMI Studio London(通称:Abbey Road Studios)のテクニカル・エンジニアによって作られた EMI RS127EMI RS135 というプレゼンス帯域を持ち上げる為の機材が、伝説のREDD ミキシング・コンソールに接続して使用するEQ Boxとして存在し、それらをDAW向け忠実にモデリングしたものです。

Beatles のレコードやCDを聴いていると、PULTEC 系のEQやEMIのコンソールだけで作られたにしては随分とプレゼンスが素直に伸びつつ綺麗に処理されているなぁ〜と長年追い続けていたのですが、PULTEC EQでどう頑張っても近づかない部分があって・・・色々試行錯誤し続けていました。Abbey Road Studiosで使われていた機材として現在復刻されているChandlerのTGシリーズが香り成分としては近い物を感じつつも、やはりもう一つ何かが違う・・・

特に『 I Am the Walrus 』のCelloなどで聴ける「硬いんだけど痛くない高域」の処理はどうやっていたのかな?と、実は長年の謎でした。そんな折 Abbey Road Plug-Ins のサイトを見ていると、なんだか地味そうだけど変わったルックスの Plug-In が出てきたな・・・という流れからデモ版をダウンロードして使用してみると、設定可変出来る部分がやたらと少ない割にほどよく色づけされた音色といい、プレゼンス帯域の変わり方が気持ちよく・・・そのまますぐさまサイトの方から購入してしまった経緯があります。

選択可変出来るポイントが非常に少ないので、GMLなど1980年代以降のEQと比較すると一瞬たじろいでしまいそうなんですが、RS135 は倍音成分だけが伸びやかに張り出してきたりするので、GMLのMDW Hi-Res Parametric EQでそういう感じにしようとしてもなかなか思うように出てこなかった倍音成分が足される感じがして、かなり気に入って使っています。しかも RS135 は 8K/C(=8KHz)に周波数が固定されていて、変化の具合も紳士的というかあまり極端にブーストされないので見かけによらず繊細な使い方でもOKです。

RS-135

RS-135



楽器毎やグルーピングされたトラックに使っても効果はありますが、仮マスタリング的にMASTER FADERにインサートしても、ほんの少しだけ倍音だけ足したい時などに使える感じがしてます。

RS127 の方はパラメーターをいじらずフラットのままでもAGや生PIANOなどで使用すると倍音成分だけ伸びているというか艶が出てくるので、EQという感覚より倍音付加フィルターというような使い方も出来ますね。そして周波数を選んでブーストすると変わり方は顕著になり、ジャキ、シャリ、キラン・・・と様変わりします。これは硬いけど痛くない質感になってくるので嬉しいところです。

RS-127 Rack

RS-127 Rack


RS-127

RS-127



Pink Floydも初期にはAbbey Road StudiosでBeatlesが使わない間をぬってスタジオ入りし、その後はAlan Parsons(Beatlesのアルバム「Abbey Road」でアシスタント・エンジニア)が「狂気」ではエンジニアリングとして参加している事などからの勝手な想像ですが、きっと RS 127RS 135 は彼らの音源の何かに使われていたに違いない・・・と睨んでいます。

最近はAPIのEQをモデリングしたWAVESのAPI 550AAPI 550Bも気に入ってはいるものの、この Brilliance Pack のEQで作られる高域成分は似たものが見あたらないので、APIやGMLなどと使い分けて「ProTools|HDなのにアナログの質感」を相変わらずたしなんでいます。


【 Specification 】
Three plug-in modules: RS127 Rack, RS127 Box and RS135
EQ curves from vintage Abbey Road hardware
Exact replication of original design and controls
Automation and control surface support
Available in TDM, RTAS, Audio Unit and VST formats

【 System Requirements 】
Pro Tools 7.x or any AU/VST host
Mac OS X 10.4 (or higher) or Windows XP
iLok Smart Key and ilok.com account

09 Nov 08

SuperStealth プロモーション、選ぶならどれ? 総括 + アップグレード構想 編

IK Multimedia / SuperStealth プロモーション関連記事の最終回です。

いままで数回に分けて4種類の Plug-In をざっと記事にしてみたわけですが、4つの中から1つ選ぶ際のポイントとして、自分自身が今、機材に何を求めているか・・・という自問自答も多少必要になってくるかとは思います。

Ampeg SVX - AMP SVT-4 PRO

ベーシストの場合はおのずと Ampeg SVX という選択肢が見えてきますが、ギタリストの場合は周りのメンバーや相方のギタリストがいる場合、どのようなサウンドを出したいと思っているか・・・または、どういった振り分け方でパートを受け持つかなどでも決定項はある程度絞る事が出来るかも知れませんね。

そして、最終的には好みのサウンドをまず選んで、それを自分のテリトリーとする方法も有りですね。単純にインターフェースやアンプの種類に好きな物が有るから・・・という選択肢でも、楽器はそのようなとっかかりから選んで自分のキャラクターにするパターンは有りだと思いますので、見た目で気に入った物を選んでから自分の好みにして行く・・・という選択肢も有りと思います。

選ぶ Plug-In は録音前提だけで考えなくても、ライブで数種類のアンプやキャビネットを持ち歩かずに、同等のサウンドをコンピューターと StealthPlug だけを使って出すための方法論にチャレンジしてみる・・・という使い方は、機材のメンテナンスやその時々による機材状態の不安定さなどから解放される手法としても可能なので、じっくり考えてみて下さい。

これら Plug-In を使ってみて、ある事に気がつきました。・・・それは、元々のアンプ達がアメリカの 120V 60Hz AC やイギリスの 220V 50Hz AC などの環境で作られたアンプで、当然リファレンスもそれら電源環境にて最善のサウンドになるように仕上がっているはず・・・ということは、日本のように貧弱な 100V 50/60Hz AC 環境下(または100V仕様に変更)(時には95V位まで電圧降下している環境)で使うと本国仕様とは音の太さも違いキャラクターが100%出ていないアンプの音にならざるを得なかったであろう事。・・・Plug-In のモデリングをしている環境はオリジナル生産国の電源環境のため、本来のサウンドが出ているところでデータ化されているわけなので、各々のアンプが本来出せていたサウンドが出ているはず。・・・そう言った事を考えると、ライブ・ステージなど電源環境が劣悪な中で安定したサウンドをいつも出す上で、Plug-In はそれまでの「バーチャルな代用品」から少し趣旨が変わって来るような気配がしています。スタジオでも平気で98V位までしか電源電圧が無いケースも多いので、この点は電気楽器にとって痛いですよ。ベースに至っては電圧が低いほど低域のパワー感は出ませんからね・・・Lowが出るとかという単純な事より中低域のパワフルさは別物です。Plug-In の方がギターの中域がねばり強くクリーンでも実体が豊かなのはそう言った事だったのか・・・と、気付かされました。今まで意外と話題にはなっていませんでしたが・・・

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そして本題から少し離れ、更にアップグレードされたシステムを組む方法論もあるので、ちょっと追記しておきます。

ギター・マガジン 2008年6月号「定番サウンドでチェックする プラグイン型アンプ・シミュレーターの実力」という誌面企画時に X-GEAR という複数の Plug-In 間を自由自在に組み合わせて使用できるソフトと、Stomp I/O という AmpliTube の STOMP セクション内で使用しているコンパクト・エフェクターを実際のハードウェア同様にコントロールしたりメモリーしてあるプリセットを切り替えるフット・スイッチ類が装備されたボードを使う機会があったのですが、この考え方にはかなり同調してしまいました。

さらに Stomp I/O 拡張ペダルを使うとワウ・ワウやボリューム・ペダルも通常のハードウェア同様にコントロールできるので、これも今まで通りのフット・ボードとして機能しますね。

実際のステージ上におけるギタリストやベーシストの足回りにあるコンパクト・エフェクター類やボリューム・ペダル類・・・さらにラックのエフェクター・ルーティングを切り替えたり、プリセットを選んだり・・・などセッティングだけでも大変ですが、それら機材群+オーディオ・ケーブルなどに掛かる費用も並大抵では済まされないはず。

そういった悩みから解放される方法として、Stomp I/O はバーチャルな機材として存在する Plug-In を、いかにも普通にハードウェアで構成しているのと変わらない使い回しが出来るメリットがあるので、DTM作業だけに囚われないでライブなどでの演奏にも積極的に使える機材にまで進化しようとしている感じがしました。しかも録音時に同じ Plug-In と Stomp I/O 群で作業していれば、ライブ前リハーサルで少しだけライブ用にモディファイすればライブでもほぼ同じサウンドで演奏できるなど、コンピューターのCPUが超高速な物に進化したお陰で、レーテンシーも少なくなり益々使える機材になりつつあるように感じています。

X-GEAR - STOMP

各インターフェースの右上の方に StompIO というボタンが付いているので、これを押すと Stomp I/O がアクティブになるという簡単な設定もありがたい感じがしました。

調べてみるとどうやら、Stomp I/O には現在もまだ豪勢な事に AmpliTube 2、Ampeg SVX、AmpliTube Jimi Hendrix、AmpliTube Metal、X-GEAR と全部くっ付いている初回特価版としてのパッケージが有るのですね・・・Plug-In 1つが約4〜5万円近くするのに全部付きでフット・ボードのハードウェアが手に入る、これも太っ腹なキャンペーン特典だと思いました。

11月末までなら拡張ペダルかダブル・フットスイッチがもれなく付いてくるプロモーション中だということで・・・ギタリスト/ベーシストに対する企業姿勢には一個人としてとても好感が持てました。

そして X-GEAR なのですが、X-GEAR を使うと AmpHead は AmpliTube Metal で、キャビネットは AmpliTube 2 のやつ、そしてSTOMP と RACK セクションでは全ての混合使用が可能になるので、Stomp I/O 無しでも縦横無尽な使い回しが出来るところには、使う人なりのオリジナリティを存分に発揮できると感じました。

X-GEAR - Sample 01

特に複数の Plug-In を股に掛けた時に起こる現象としては、単一機種では思いつかなかった組み合わせの妙による化学変化というか、思ってもみなかった効果を得られる事があるので私からはかなりお奨めできる感じです。

X-GEAR - Sample 02

仮に、もしジミヘンが生きていて1994年頃のシアトルに舞い戻ってきて演奏したら・・・たぶんこういった感じになったかも知れないな・・・というようなイメージで音作りをしたいと思った時に、STOMP では AmpliTube Metal と AmpliTube Jimi Hendrix のを組み合わせて使い、AmpHead は AmpliTube Jimi Hendrix のを使って、キャビネットは AmpliTube 2 のを選び、マイクも新しめの種類を立てて、RACK では AmpliTube Jimi Hendrix と AmpliTube Metal と AmpliTube 2 のを混ぜて・・・といったような使い方で、とことん満足行くまで音作りが出来るあたりは考えたり試しても切りがないので愉快だと思います。

X-GEAR - RACK

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そんな感じで、メーカーの回し者でも何でもないですが、AmpliTube は出た当時から意識していた Plug-In だったため、競合他社からも様々な物が出てくる中において独自の進化と独自の使いやすさを存続させている部分には割と贔屓目な所もありましたが、これにて連載記事は締めくくらせてもらいます。

最後までお読みになって頂きどうもありがとうございました。

08 Nov 08

SuperStealth プロモーション、選ぶならどれ? AmpliTube 2 編

IK Multimedia / SuperStealth プロモーション関連記事の続き・・・です。


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 第四弾「AmpliTube 2」編です。

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この機種もギター・マガジン 2008年6月号「定番サウンドでチェックする プラグイン型アンプ・シミュレーターの実力」の誌面企画時に使ってみて、各アンプのモデリングにおける出来映えとか、キャビネットを選びながらマイキングやアンビエンスの量など、様々な部分で至れり尽くせりに仕上がっているな・・・と感じました。

Amplitube 2 - AMP 01

Amplitube 2 - AMP 01

Amplitube 2 - AMP 02

Amplitube 2 - AMP 02

代表的なアンプ・ヘッドがほどよく搭載されていて、様々なジャンルにも対応できる振り幅は AmpliTube ならではと言う感じですね。

Amplitube 2 - AMP 03

Amplitube 2 - AMP 03

Amplitube 2 - AMP 04

Amplitube 2 - AMP 04

Amplitube 2 - AMP 05

Amplitube 2 - AMP 05

Amplitube 2 - AMP 06

Amplitube 2 - AMP 06

本来ならヘッドとキャビネットが一対で組まれていて、他のキャビネットからマッチングを探したりすることはなかなか出来ないものですが、まず定番の組み合わせでサウンド・メイキングした後にキャビネットだけを色々と切り替えてみたり、マイキングだけ色々試したりと出来る柔軟性は良いですし結構楽しいです。

Amplitube 2 - CAB 01

Amplitube 2 - CAB 01

Amplitube 2 - CAB 02

Amplitube 2 - CAB 02

Amplitube 2 - STOMP

Amplitube 2 - STOMP

STOMP セクションにも代表的なコンパクト・エフェクターが満載されていて、ジャズ〜フュージョン〜ポップ〜ロックと目的に合わせ自由自在にエフェクターを組み合わせられるので、幅広いギター・サウンドを求められるようなシーンでは重宝するでしょう。

Amplitube 2 - RACK

Amplitube 2 - RACK

RACK セクションでは、ここ20〜30年来変わらずスタジオの定番となっている各種アウトボードが搭載されていて、そのどれもがギターの処理には必至な物ばかりであり、レコーディング用アウトボードが手元に全然無くても十分作り込めるようになっています。各々のつまみがアナログ的なノブなので設定は難しいかな〜・・・と思っていたのですが、インターフェースの下部に操作しているノブのパラメーターが数値で常に表示されているので、数値で認識しがちなディレイ・タイムやリバーブ・タイムなども難なく設定できますね。

Amplitube 2 - TUNER

Amplitube 2 - TUNER

他機種のどれにするか迷っていたら、この AmpliTube 2 は基本的なギター・サウンド作りには申し分ないので、幅広いジャンルに対してオールマイティに使える Plug-In としてお奨めできます。

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* メーカーへの要望なのですが、RACK セクションではインターフェース下部ではなくノブのすぐ下かノブの内側にも操作しているパラメーターが数値で表示されると、視線を上下で行ったり来たりせずに済むのでかなり助かります。

Profile

プロフィール

1982年にヤマハ渋谷店でキャリアをスタート、1985年のStudio TWO TWO ONE 設立と共にエンジニアとして参加。その後Z’sへ参加し1990年よりフリーランスに転身。(Twitter ID = JacoTen2)

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