お久しぶりです・・・昨年末にスタッフHさんよりご紹介のあったFLUXの各種Plug-Insをスローペースながらもじっくり試してみて、その中から個人的に気に入った部分とか興味深かった面などをコメントしてみようかと思います。
EQの質感では、どんなにブーストしていっても歪み感が殆ど出てこない点は素晴らしく、デジタル・ドメインで作業していると不必要なデジタル・クリップ的な歪み感はただただ聞くに堪えない音・・・そんな歪み感を感じられないサウンドであり、Epure IIはMDWなどとはキャラクターが違うクリーンなサウンドですが、そのクリーンさはマスタリング・EQの様な高品位であり、EQ臭さを出したくない場合には大変重宝するEQという感じです。
ボーカル、ストリングス、ピアノ、アコースティック・ギター、シンバル、など高域の倍音成分が多いソースで、音色補正、または音色等価という目的ではなく、タダひたすらにキラキラさせたいとか、中域の粒だちをくっきりさせたいなどの場合、倍音歪みが殆ど感じられないEQなので、チャンネル毎にマスタリングしているような感覚でEQ出来る辺りは使い込めば使い込むほどに手放せなくなりそうな予感がしています。
API 550AのアグレッシブなEQサウンドとは対極に位置する別な意味でのアグレッシブなEQとして、とても好感が持てるPlug-Inですね。因みにこの機種だけはTDM版も出ているので、TDMで使う時のレーテンシーがとても少ない面は、生楽器を録っている時などにモニター上のレーテンシーが気にならない範疇なので、この部分はMcDSPのFilter Bank並みに優れています。Sample Rate 96KHz時にこのサウンドで4 sampleしかレーテンシーが無いのはとても素晴らしいです。
気に入ったポイントとして・・・今までやりたくてもなかなかスムースに可変させることが難しかったAとB、2種類の違う設定を連続可変させる「1つのプリセット内にA/B2つの設定と、A/B設定間をモーフィングするフェーダーの位置を記録可能」という機能にまず目が行き、例えばJeff Lynneがいたことで有名なELO(Electric Light Orchestra)1976年の『Telephone Line』という曲、冒頭で中域だけの電話から聞こえるようなサウンドに処理されたボーカルから段々と普通に音色が変わってゆく部分など、今まで似たような効果を出そうとするには2本のフェーダーで別々に違う音を作ってクロスフェードさせるような手法が一番手っ取り早いのでそのようにしていましたが、このFLUX搭載の機能を使えばいとも簡単に出来るので、妙に嬉しく感じました。
周波数表示させる画面のスケールが、ブーストやカットなどしている時の上げ下げ量に応じて6dBスケールの詳細表示状態から12dB〜24dBと、その時々での上げ下げ幅に応じて周波数表示のスケールが自動的に追従可変してくれるので、普段MDWのHi-Res Parametric EQで表示スケールをその都度判断しやすい用に6dB~12dB~24dBと手動で切り替えていた事から比べるととても使いやすいインターフェースに出来上がっています。
そしてもう一つ気に入ったポイントは、今までのEQでは「トータルでどのような周波数特性にしているか」を表示する一本の曲線しか表示されませんでしたが、FLUXでは各々のステージにて調整している周波数の状態が各々のステージ毎に振り分けられたカラーで個別に表示され、全体でのEQカーブはそれらを統合するように表示されているので、実際どの周波数がどこに作用しているかなども確認しやすいので、これも些細な事ですがインターフェースの新しい解釈として他のメーカーにも採用してもらいたい機能です。
次回は次に気になったFLUX Plug-Inをご紹介してみたいと思います。
1982年にヤマハ渋谷店でキャリアをスタート、1985年のStudio TWO TWO ONE 設立と共にエンジニアとして参加。その後Z’sへ参加し1990年よりフリーランスに転身。(Twitter ID = JacoTen2)
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